「ナウシカ」に絡めて 続き

1月17日(金)に開催された
知的障害施設団体連合会支援部会さん主催研修会終了後の懇親会にて
「よっしーさん、前にナウシカの記事を書きましたよね。
その記事がどうしても検索できなくて」というお声をいただき
確認してみました。

「あっ、続きを(というか、何をナウシカに絡めているのか)本筋を書き忘れてた。。。」

スミマセン。。。

そんなわけで、改めて、続きというか、本筋を書くことにしました。

 

そもそもの元の記事は
「POST」
さんに掲載された「風の谷のナウシカから考える認知症対応」という記事です。

 

「風の谷のナウシカ」は映画も原作のマンガもどちらも大好きです。
その中でも胸に迫るような思いをしたのが
記事でも記載してあるように
ナウシカがペジテの人たちに捕らえられた時にアスベルに向かって叫んだ言葉です。

「お願い!アスベル!みんなに伝えて!
蟲たちは森を守ってる。蟲は世界を守ってるんだって!」

当時、誰もが、腐海の森は危険な所だ。
瘴気によって健康を脅かされるし、蟲にも襲われるから
近寄ってはいけない場所として認識されていました。

ところがその腐海の奥底では
樹々たちが汚染された大地と水を浄化していたのです。
自らを使って恐ろしい見た目で、瘴気という汚染された気体を産生しながらも
最後は光り輝くような見た目になり、清浄な空気を産生し
最後は砂となって清浄な大地の一粒となることで一生を終えていく。

ナウシカは、腐海で蟲たちに襲われていたアスベルを助ける過程において
たまたま腐海の深部に迷い込み、そこで腐海の森の真実と蟲たちの本当の役割を目の当たりにします。

実は、ナウシカは、密かに腐海の樹々を城の地下室で育てていました。
綺麗な水と土で育てれば腐海の樹々だって瘴気を出すことはないということを体験を通して既に知っていました。

自らの体験と腐海の真実の照合を体験したのです。

汚れているのは私たちが住んでいる世界の側の土と水であり
腐海は世界を浄化するために
蟲はその腐海を守るために存在している。

一見、汚れた危ない現れ方をしているだけで
本当のカタチとはたらきを、私たちは知らないどころか、否定さえしている。

ペジテの人たちは
腐海と蟲たちの真実を
知らないどころか、否定するだけでなく、破壊しようとしている。

だから、ナウシカは、あんなにも強く必死に
腐海の奥底で体験した真実を知っているアスベルに向かって叫んだ。。。

 

私には、このシーンが認知症のある方の関わりの現状と重なって見えました。

認知症のある方は
能力が低下しているから不合理な言動をしてしまうのではなくて
能力があるからこそ、なんとかしようとした代償によって
結果として不合理な言動になって現れてしまうという場面に驚くほどたくさん遭遇しています。

そして
認知症のある方がなんとかしようとするのは
自らの生活障害はもちろんだけれども
その他に、介助者の不適切な関与。。。たとえそれが善意のもとではあっても
知識や技術が伴わなかったり
表面的な言動だけを修正・改善しようとしたりしている関与に対して
適応しようとした誤学習の結果によってもたらされてしまうことすら起こっている現実と重なって見えたのです。

臨床場面で多々遭遇するのが
結果として起こっている言動そのものを切り取って
「どうしたらよいのか」対応方法を検討する。という思考です。

それだけ、切実に困っているのだとは思いますが
本当は、結果として起こっている言動に反映されている
認知症のある方の能力と障害と特性を把握できるように観察することが重要なのです。

結果として起こっている言動に反映されている
能力と障害と特性を把握できれば
どう対応したらよいのかは、自ずと浮かび上がってきます。

どうしたらよいのか、わからないのは
実は、評価・アセスメント(言動に反映されている能力と障害と特性を把握)ができていないから
だとしたら、評価・アセスメントをすればよいだけです。

評価・アセスメントというのは
バッテリーを使用することにとどまりません。
最も重要なのは観察です。

ですが
知識がなければ観察できない。
「見れども観えず」「聞けども聴けず」になってしまいます。

それは、私たちの側の問題です。

私たちは
そうとは知らずに
善かれと思って
逆効果になるようなことすらしてしまう恐れがある
現に起こっているのだという現状に警鐘を鳴らし
現状を改善するための提案をしていきたいと考えています。

もちろん、困難なことはたくさんあります。

けれど
私たちの側の問題なら
私たちが変わることによって
異なる現実を目にすることができる

そう確信しています。

↓ こちらが過去に書いたナウシカの記事です。

  

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