診療参加型実習への移行

2020年4月入学生より
実習は診療参加型実習が明確に推奨されるようになりました。

リハ職の実習とよく比較されるのが医師の実習形態ですが
医師の養成過程における実習は
研修医制度とセットになって行われています。
ところがリハ職の場合は研修医制度に該当するものはありません。
診療参加型実習、国試が終わるとすぐに入職して働くことになります。

従来のインターン実習が
研修医制度の位置付けとほぼ同じ意味があったのではないでしょうか。
いろいろな課題は抱えながらも。
それがなくなってしまう。

実習の諸々の課題をクリアするという意味で
あくまでも学生の学びの深化を支援するという位置付けを明確にしたのだと考えると
ある意味、実習指導者の負担も減るだろうと感じています。
(理念と制度、実践の矛盾が全て解消されていないにしても)

その分、今まで明文化されていないにしても
実習指導者と養成校が暗黙のうちに担ってきた部分を
これからは就職先が新規入職者に対して
指導者の元で実践的に学んでいく時期を担保することが求められてくると感じています。

つまり、卒後養成における就職先に求められる比重が結果として大きくなってくる。

もっと言うと、リハ職本人の向学心・自己研鑽が試される。
大人ですから、ある意味当たり前のこと、他人は他人、自分は自分だとは思いますが
問題は対象者の側に立ってこの現状をどう見るかということだと考えています。

どんな職業だって、ピンキリですが
診療報酬・介護報酬を請求できるセラピストの個人間の力量差が現状よりもさらに大きくなってくる可能性がある。
その一方で、報酬上はどのセラピストが実践しても一律請求となっています。

協会や厚労省は、この先をどこまで描いているのでしょう。

今回のカリキュラム変更は
養成校も実習地はもちろんですが、
実習地でないリハ職が勤務する就職先においても
対応が要請されていることを感じています。 

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