私は今、認知症疾患治療病棟に勤務していますが
大切な役割の1つとして
身体的な障害を評価できる
ということを挙げておきたいと思います。
認知症=アルツハイマー型認知症
というわけではありません。
認知症という状態像を引き起こすさまざまな疾患があります。
臨床的に多いのは、アルツハイマー型認知症ですが
ときどき、ちょっと変わった変性疾患の方も入院されます。
レビー小体型認知症や前頭側頭型認知症のある方は
かなりの頻度で入院されます。
その他にも
大脳基質基底核変性症やALSを合併した認知症
特定不能な認知症のある方も入院されます。
そのような場合には
身体的な障害を起こしている場合がとても多いものです。
また、どんな疾患であれ、症状が進行すると
皮質の萎縮による脱抑制によって原始反射が起こる場合もあります。
このあたり
知識がないと身体的な障害というのは
実はかなり見落とされがちなんです。
そして、「認知症」という先入観によって
知識がないがために
「乱暴」「意欲低下」「心気的」「性的逸脱行為」などと
誤った判断を下されがちです。
民間の単科の精神科病院では
「身体的な障害」を評価できるのは
作業療法士だけ。だったりすると
身体的な障害を身体的な障害だと伝えることができるのも
作業療法士だけ。ということになります。
認知症治療病棟に勤務する作業療法士の
大きな役割の1つだと考えています。
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