正しさではなく適切に

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認知症のある方への対応で
誤解されていることは諸々あれど
たとえば
「正しいケア」「正しい介助」

正しい…って、いったい何に照らしての正しさなんだろう?

正義や常識は
時代によって場所によって
異なっているし変化もする。

正しいケアでも
目の前の人に不適切な対応になることって
幾らでもある。

たとえば
「おみ足を上げてくださいませ」
という言葉は丁寧な言葉で
敬語で接するという意味では正しいかもしれないけど
生活歴の中で「おみ足」という言葉を
聞いたことがなかった人にとって
その言葉は適切だったんだろうか?

大切なことは
目の前にいる方の役に立つことであって
スローガン通りに実践できるようになることとは違う。

正しい=適切
というケースだってあるだろうけど
教科書に書いてある、あるいは研修で言われた正しいケアを
目の前の人に当てはめることではない。

適切かどうかは
その時その場のその関係性において
関わっている人が判断するしかない。

それだけの厳しさを対人援助職は背負っている。

その厳しさから逃れるために
正しさというお題目にすがってはいけない。 

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