今日は本の紹介をします。
「第3の脳 皮膚から考える命、こころ、世界」
著者:傳田光洋
朝日出版社
http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255004013/
この本の書評を機関誌「作業療法」に書いたことがあります。
一般書だけど、著者がとてもとても丁寧に仕事に向き合っていることが伝わってきます。
分野は違っても同じ専門家として、その姿勢に尊敬の念を抱きました。
また、OTなら、どの分野で働いていても
「皮膚」には日常的にお世話になっていることと思います。
でも、皮膚のこと、全然知らなかった…。
学生のときに、皮膚が脳と同じ外胚葉由来ということを聞いて
すごく不思議に思いました。
皮膚と脳とではその働きがまるで違うのに何故同じ起源なんだろう?って。
そんなこともあり、手に取ったのがこの本です。
すごく刺激的な本です。
著者が丁寧に積み重ねている研究結果から
皮膚は単なる袋ではない。
触覚に錯覚があることや
色の識別をしている可能性
免疫機能も
思考回路も
伝達回路までもっている可能性について記載されています。
もう1つ、驚いたことは
私が大好きな大切にしている本のことが
この本にも記載されていたのです。
「非因果律的世界を護る皮膚」として
渡辺慧の生命論のことが記載されています。
「未来が過去を決定する」
そして著者もまた皮膚の働きから
生命の非因果律的存在の意味を考えています。
私たちは普段対象者の身体に触れることを許されている職業ですが
もしかしたら
私たちが業務として対象者に触れることには
私たちが想像している以上の関与が為されているのかもしれません。
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