理解→対応→ラク

例えば
脳卒中後遺症片麻痺のある方に対して
痙性が高くて服の脱ぎ着が大変な場合
病気・障害によるものだと知らなければ
「もっと力を抜いて」と言ってしまうかもしれません。

病気・障害によるものだ
と言う理解があって、じゃあどうしたら良いのか、と言う話になります。

麻痺側から袖を通したり
前開きの上衣を用意したり
と言う対応の工夫があって
服の脱ぎ着がラクになると言うことになります。
介助を受けるご本人だってラクになります。

これと全く同じことが
認知症のある方に対して言えそうでいて言えていない現状があるのではないでしょうか。

ご家族の方の
「認知症という病気だと理解しても私たちの介護がラクになるわけではない」
という言葉が現状を伝えているのではないでしょうか。

「それが認知症という病気なんですよ」
「それは症状なんですよ」
そう言われるだけでは、介護するご家族が疲弊してしまいます。

先の脳卒中後遺症片麻痺のある方に対して
服の脱ぎ着が大変なのに
「無理やり着させてはいけません」
「相手のペースに合わせて着替えさせましょう」
とだけ言っているようなものだと思います。

脳卒中後遺症片麻痺のある方の暮らしの困難は
例え、リハをしても適切な対応の工夫があっても
ゼロにはならないかもしれませんが
少なくすることは可能です。

認知症のある方も全く同じだと考えています。

〇〇という困りごとは
病気・障害によるもので
こんな風にしたらどうでしょうか
という提案が具体的にできること
そのためには、能力を的確に見出せること

結果としてのパターンはあるけど
能力と障害が異なるから
「こうしたら良い」というハウツーはない。
だけど、考え方の提示はできる。

ご家族の介護がラクになるように
ご本人の困りごとが少しでも減るように
そのために求められていることは
理解→病気・障害→仕方ない
ではなくて
理解→病気・障害→能力→対応の工夫→ラク
なのだと考えています。 

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