一般社団法人神奈川県作業療法士会
会長 神保武則
会員の皆さま、そして県民の皆さま、新年明けましておめでとうございます。
皆さま、いかが新年をお迎えなさったでしょうか。今年は、もっと沢山の明るいニュースが溢れる年にしていきたいですね。そして、皆さんの笑顔が様々な対面の場でも一日も早く見れるようになることを祈って止みません。
昨年末に開催された第18回神奈川県作業療法学会は記憶に新しいと思います。当会にとって初めてのWeb学会とし素晴らしい企画と内容でした。県内の作業療法士に止まらず、全国的に参加して下さった作業療法士の方々からも大変好評を得ることができ、2021年度の県士会ビックイベントを2021年12月4日と5日に開催し、オンデマンドによる視聴参加を同月末まで配信するなど、まさに有終の美を飾る学会で年末を迎えることとなりました。学会の運営委員の方々の御尽力に感謝を感じ、そして感動溢れる幕が惜しみなく降ろされた、そんな2021年でした。
ところで、COVID-19の終息はいつになるのでしょう。2年前のクルーズ船が横浜に寄港した頃より、医療従事者としての我々の日常は大きな変化を強いられました。県民に対しても未知なる感染症と対峙せざるを得ない状況となり、苦しい生活を強いられるようになりました。オミクロンという新種変異株(南アフリカ株)による第6波は新たな苦悩の再来を意味し、更なる試練を我々に与えています。新規感染者数の報道は日常となり、連日マスコミが口を揃え「本日の新規感染者数は○○人です。先週と比べて○○%の増加です」と。この日常生活の急なる変化を誰が想像したことでしょうか。
しかしながら、このような苦しい中であっても、我々の生活は少しずつ変化をしていると思います。感染予防対策をしながらの活動の工夫が様々に凝らされ始めていることは確かです。通信産業や販売業など新しいサービス提供スタイルの方法が導入され、比較的人と「繋がりやすい」状態になってきた印象はあります。これはむしろ、今までにない人との接点を大事に考えようとするコミュニティの根源や意味を考えるきっかけとなったのではないだろうかと思います。その一方で、オンラインなどの会議形式は非接触型の典型であり、全く肌感や質感の異なる違和に包まれる傾向もあると言う人は多く、今まで多く経験のなかった日常場面を創り出さざるを得ないことも事実の一つでしょう。人という生命体は、そこに存在するコミュニティを如何に大切に扱ってきたのかが改めて問われ、そして理解することができます。
我々作業療法士はこの強いられた変化を受けて何を考えていくべきでしょうか。普段から親しまれてきた“当たり前の日常”の変化をどのように捉えていくべきでしょうか。作業療法士が重要とする「生活や活動」について、そして、そこで暮らす人々に対してどのように関わるべきなのでしょうか。考える時間すらない、準備する猶予もなく急激に襲い掛かってきた未知なる病原菌により、我々の「生活や活動」の強いられた変化の中、「生活や活動」の困難を示す地域住民に何か手を差し伸べているでしょうか。我々が少しでも専門職としての力を発揮できる支援や援助は他に何があるのでしょうか。今一度考える時なのかもしれません。単独ではなく、県内にある各職能団体と共に考え、支え合い、そして県民に対し有益な還元を実行に移す術はどのように展開したら良いのでしょうか。様々に「生活や活動」をキーワードに考えを馳せる2022年であると思います。
本年、一般社団法人神奈川県作業療法士会は、県民が抱く「生活や活動」の小さな課題にも耳を傾け、率先して向き合えるよう日々努力を重ねていきたいと思います。
県士会会員の皆さま、本士会が誕生して40年が経ちます。『成長する県士会』を推進するキーパーソンは会員の一人ひとりです。是非色々なことにチャレンジしていく年にしていきましょう。そして沢山の声を聞かせてください。皆さまと共に未来に向けて一歩一歩、その歩を進めて参りましょう。
本年も何卒宜しくお願い申し上げます。