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【若手】No.15 社会人から作業療法士になる

社会人から作業療法士になる 「若手作業療法士からのメッセージ」の執筆依頼を受けた際、自分の年齢が30代であるため若手といわれることに少なからず恥しさがあり、できればお断りしたいという気持ちがありました。
 しかし先日行われた作業療法士を目指す方向けの説明会にて、社会人からの相談を受ける機会がありました。私自身、社会人を経て作業療法士へ転職した身でしたので、自分の経験を交えてお話をさせていただきました。最後にその方から「勇気をもらいました」という言葉をいただきました。
 現在、社会人から作業療法士を目指そうとする方は決して少なくないと思います。そして決断に迷う方も多いと思います。そのような方の意思決定に自分の経験が少しでも役立てばという思いでこの若手作業療法士からのメッセージを書かせていただこうと思います。

 私は30歳で仕事を辞め、作業療法士養成校の夜間部に入学しまた。前職は畜産関係の仕事でしたので、まったくの畑違いの仕事からこの世界に飛び込みました。仕事を辞めて学校へ進学した経緯は省略しますが、国家資格でありこれからの社会において需要が見込まれた点がこの仕事を選択した理由です。
 当時私は結婚をしており、小さな子供もいましたので、経済的な問題がありましたが、夜間部を選び昼間仕事をすること、また修学資金貸付制度利用することで何とかなりました。

 在学中は、昼間はコールセンターのオペレーターをしたり、病院でリハビリ助手のような仕事をしたりしながら、夜の授業へ通っていました。
 夜間部の授業は18時~21時まで。決して授業数は多くありませんでしたので、必然的に自分で学ぶことを多く求められました。通学が片道2時間かかっていたため、その時間が貴重な勉強の時間でした。
 当時夜間部の学生は現役生もいましたが半数以上が社会人経験者であり、年齢層も10~40代と広めでした。ほとんどの学生が昼間仕事をしてから、夜間の授業に挑んでいましたので、皆一様に疲れた顔でした。でも皆真剣でした。正直、学生生活は「失敗できない」という重圧や、肉体的疲労も強く、つらい日々の連続でした。しかし同じ志を持つ仲間が周りにいてくれることで、とても勇気付けられ励まされました。
 今振り返れば、4年間の学生生活を過ごした経験が、自分を大きく成長させてくれたと思います。

 現在、作業療法士として3年目の春を迎えました。この間に職場も変わりました。その中で出会った素晴らしい先輩方から多くのことを学び、影響を受け、少しずつ成長してきました。
 しかし日々の仕事の中で、自分の知識や持っている技術の少なさ、未熟さを痛感させられます。この仕事は学校教育だけできる仕事ではありません。卒業してからの勉強がとても必要とされます。しかしそれはどのような仕事でも共通することだと思います。

 作業療法士となった時から常に心がけていることがあります。それは仕事に対して『誠実』でいようという思いです。3年目になり少し慣れが出てきました。良い意味での慣れと、悪い意味での慣れです。3年目は『誠実』の他に『謙虚』・『笑顔』を心がけて頑張っていこうと思います。

 これらから作業療法士を目指す方へ。「見て・聞いて・感じて」みないとわからないことが多い仕事だと思います。できれば一度、病院や施設で働く作業療法士の仕事を見学されることをお勧めします。ぜひ作業療法士の世界を覗いてみてください。

(2006年3月,東京都内の養成施設を卒業)

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