【若手】No.36 作業療法士になりたいと思ったきっかけ

【若手】No.36 作業療法士になりたいと思ったきっかけ はじめまして。私は、リハビリテーション病院に勤務する2年目の作業療法士です。大学を卒業し、早丸2年が経とうとしています。私は、現在回復期病棟で脳卒中を中心とした中枢疾患の方やケガを負い、障害を抱えた方々に対し、作業療法を提供しています。

 私の作業療法との出会いは、祖母が脳卒中を発症し、祖母の入院する病院に通う中でリハビリテーションという分野を知ったことがきっかけです。左手に麻痺という重い後遺症を患った祖母に対し、毎日必死になって関わってくださる療法士さんに憧れをもったことを覚えています。

 学生生活は、1年目から基礎的な解剖学や運動学、生理学を学び、学年を重ねるにつれてより専門的な講義から病院実習を行います。もちろん、定期テストや日々のレポートの提出は山のようにあり、想像以上に忙しい毎日を送っていました。

 作業療法を学んでいく中で、「私は本当に作業療法士に向いているのだろうか?」「私なんかが人の助けになるような仕事に就けるのだろうか?」と疑問や不安を抱く時期がありました。しかし、その不安を打ち消し、改めて作業療法士を目指したいと思ったターニングポイントが4年生での病棟実習での指導担当の療法士との出会いです。その療法士と患者様との関わりの中で、「つらいリハビリも、動かない手を良くしようとしてくれる、この人がいるからリハビリを頑張れるのよ。」と話してくださる患者様がいました。作業を通して、患者様の意欲、そして今後の自分への期待を持っていただける関わりのできる作業療法士になりたいと思うようになりました。そして、自分の目指す作業療法士像が明確になり、その後の病棟実習、国家試験へ強い気持ちで立ち向かうことができました。

 私の所属する回復期病棟は、急性期を脱し生活の場へ戻っていく回復の過程で関わっています。障害を負い、その障害と向き合う局面で出会います。回復の過程の中で、本人が一番不安とリハビリテーションに対する期待を持つ時期であると私は思っています。

 そこで長期的に関わっていく中で、私は最もその人との関係性を大切にしています。

 その人がどのような暮らしをし、どのような家族に囲まれ、どのような趣味を持ち、何が好きで何が嫌いなのか…。その人の人生のすべてを知ることはできないけれど、どんな生活に戻りたいか、今後の人生をどう過ごしていただくかということを、作業療法を通して、一緒に考えるお手伝いをさせていただけたらと思っています。患者様が障害と向き合い、生活の場へ戻っていくこと、そしてその人らしい今後の人生を送れるよう援助していくことができるよう日々患者様と向き合っています。
 まだまだ技術知識も未熟で、日々勉強する毎日ですが、患者さんに対する熱意は負けないように、日々先輩や仲間に助けられながら臨床に励んでいます。いつか、私の憧れる作業療法士のように「辛いけど、この人がいるからリハビリが頑張れる」と言っていただけるような関係性の築くことのできる作業療法士を目指して。

 この記事を見て下さったみなさんが作業療法に少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。いつか、皆さんと一緒に働ける日を楽しみに待っています。

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