【若手】No.31 作業療法と出会い様々な経験を経て。

【若手】 No.31 作業療法と出会い様々な経験を経て。 はじめまして。私は身体障害分野の病院で働いて3年目になる作業療法士です。今は急性期病院という分野で障害や怪我を負って間もない方々にリハビリを提供しています。

 私が作業療法と出会ったのは高校2年生の冬でした。そろそろ進路を決めないといけないよ、と高校の先生から言われていた時期でしたが、さて、自分は将来なにがしたい?と思った時に、これだ!というものがなく悩んでいた時期でした。
 出会いのきっかけは事故で骨折しリハビリを受けるようになったことでした。そこで作業療法を初めて知りましたが、そのときは理学療法、作業療法というものがあることは知らず、リハビリ?作業療法?と何となく知った気になっていただけだったような記憶があります。笑 そこで担当だった作業療法士の先生は骨折の痛み、動かないもどかしさ、事故で感じた不安など私が感じていた様々な思いを聞きながらリハビリを進めてくれました。学校の話、進路の話など実際のリハビリの内容には関係のない話もたくさん聞いてくれて、初めは不安だったリハビリの時間も徐々に楽しいものになっていきました。あるとき、「夢が無いんだったら作業療法士になってみたら?すごく楽しくてやりがいのある仕事だよ!」と担当の作業療法士に言われたことが後押しとなり、私も将来この先生のように、病気や怪我を負ってしまった方に対して心身ともに手助けのできる作業療法士になりたい!と強く思い、作業療法士となるべく第一歩を踏み出しました。

 第一歩を踏み出してからは、学校探しが始まりました。養成校は大学、専門学校など選択肢がたくさんあり迷ってしまいましたが、実際に学校を見学しに行き、自分に合った学校を決めていきました。また夏休みには実際に病院見学に行き、作業療法士の臨床現場を見ることでモチベーションを上げていました。

 4月になると進学と同時に一人暮らしも始まり、慣れない勉強、慣れない家事に追われ体調を崩してしまうこともありました。また勉強も始めは基礎からなので、解剖学など学んでいても、これが作業療法となんの関係があるの?となかなかモチベーションが上がらず試験結果がぼろぼろだったこともあります。そして高校から比べると課題量はかなり多くシビアです。また、学年を重ねると実習という大きな山場があります。実際の臨床現場に出て患者さんを担当し勉強させていただく、というものです。実習は楽しくもあり厳しくもあり、感じ方は十人十色ですが、私は実習で作業療法になりたいという初めに感じた気持ちを再確認でき、その後の国家試験の勉強も頑張ることができました。
 このように書くと、作業療法士になるのって大変なことが多いな~と思うかもしれませんが、為せば成るという言葉があるように頑張れば終わりは必ず来ます。正直、辛いなと思うことは何度もありましたが周りには同じ夢を持って頑張る仲間たちがいるので、そこは助け合い励ましあい、気を抜くときは抜きながら、支えあって乗り越えてきました。学生生活は振り返ると、勉強、実習と大変な思い出が多いですがそれ以上に仲間たちと過ごした楽しい時間のほうが色濃く残っています。同級生たちは卒業してからも様々な場面で繋がっていますし、皆が頑張っている様子を耳にすると私も負けてられないな!という気持ちになれます。

 小情報ですが、私は一人暮らしをしていたのでバイトもしながら学校に通っていましたが、両立はなんとかできていました。試験の前や実習中は、バイトはしていませんでしたが。笑 自分でスケジュール調整しながら生活することも勉強!と思いながらやっていました。

 長くなってしまいましたが、今は無事に国家試験に合格し晴れて作業療法士として働かせていただいています。日々、患者さんと向き合い勉強させていただきながら過ごし、2年なんてあっという間に過ぎて、もう働き始めて3年目になってしまいました。まだまだ目標としている作業療法士には程遠いですが、初心忘れるべからず。勉強しながら好きな仕事をさせてもらえるというのは大変なこともありますがとても充実しています。

 将来を考えるということは迷うことの繰り返しだと思います。迷っていたら情報を調べることも大切ですが、実際に現場に見学しにいくこともとても大切だと思います。本やパソコンの画面からは見えないものがたくさん見えると思うので…!ぜひ、病院や施設へ見学に出てみてください。

 最後に、大変なこともありますが私は作業療法士になれて良かったです。これからも様々な方と出会い経験を積んで成長し、作業療法士としても人としても大きくなっていけたら、と思います。

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