【若手】No.11 漠然とした考えが、現実に!?そして、得られたものは・・・。

漠然とした考えが、現実に!?そして、得られたものは・・・。 大学を卒業し、急性期の病院で働き始めて1年が経ちました。この病院は、作業療法という言葉を初めて知った場所でもありました。その病院で現在、作業療法士として働いています。

 『将来、OLとしてデスクワークをするのは嫌。』、『病院で働いてみたいなぁ。』と漠然とした2つの考えが頭の中にありました。
 高校1年生の夏休み、病院でのボランティア募集という記事に目が留まりました。病院で働くにはどんな職種があるのか、実際に働いている場面を見学したいと思い、ボランティアに参加しました。その時に興味を持った職業が『リハビリ』でした。最初は、リハビリって1つじゃなかったの?という疑問を抱きました。私のイメージしていたリハビリは、手すりを使用した歩行訓練、ベッド上でのストレッチで、『リハビリ=理学療法?』というものでした。
 いざ、進路を決める頃になり、リハビリの職種について調べてみました。その頃から、イメージしていたリハビリとは全く異なっていた作業療法に興味を持つようになり、将来は作業療法士になりたいと思うようになりました。
 今、振り返ってみると、作業療法士になって患者さんと一緒に作品を作りたいという単純な考えだったような気もしますが・・・。

 養成校へ入学してからは、解剖学、生理学、運動学など医学的な科目に加え、OTの専門科目の授業、実習やレポートに追われる日々でした。
 勉強をしていくうちに、ただ作品を作るだけでなく、作業療法はとても奥深いものだったのかと驚かされました。自分の考えていた作業療法とは随分と離れていくような気もしましたが、私の興味は離れていかずに、更に興味を持つようになりました。
 学生生活は、同じ目標を持った友達が近くにいることでみんなのモチベーションも高く、大変だった課題や実習も共に支えながら、乗り切っていくことができました。

 就職してからは様々な疾患の患者様と接してきました。1年経った今でも、分からないことだらけの日々を送っています。分からないことだらけの日々は、これからもずっと続くだろうと思います。
 これを『大変だぁ!』、『もう嫌!』と思うこともありますが、臨床で得られたものがそんな思いを打ち消してくれるような気がします。OTの先輩方や患者様はもちろんのこと、様々な職種のスタッフや患者様の家族からも多くのものが得られました。
 学生時代、臨床実習で学校では得ることのできないものを数多く得ることができたと感じたように、臨床で得られるものはそれ以上のものだと思います。

 急性期の病院に就職し、発症直後の患者様の状態を評価・訓練することのできる環境にいます。重症な患者様を前にして、『この患者様に何をすればいいのか?作業療法士として、私に何ができるのか?』と自分の不甲斐なさを感じ、悩むことも多々あります。
 しかし、その患者様が回復期病院へ転院していき、何ヶ月後、『あの時はお世話になりました。こんなに良くなりました。』とOT室に入ってきてくれたときの感動は涙が出るほど嬉しいものです。そんな患者様に会えることが、日々の疲れも一気に吹き飛ばしてくれるような気がします。
 臨床で得られたものや経験を活かし、これからも作業療法士として日々成長していきたいと思います。

(2006年3月,神奈川県内の養成施設を卒業)

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