【在学生】第31回 ここまで作業療法を学んできた今、思うこと

ここまで作業療法を学んできた今、思うこと


【在学生】第31回 ここまで作業療法を学んできた今、思うこと 私が作業療法士という職業を目指すようになったそもそものきっかけは中学生の時に行われた職業体験でした。

 元々介護や医療の現場で働く人が身近にいたということもあり、訪問や通所を行なっている施設に伺うことにしました。その際には、通われてくる方々の受ける介護や、その方々の送迎も見学させていただきました。なかでも私が強く心に残っているのは訪問リハビリテーションの見学に伺ったときに、理学療法士の方と歩行の訓練をして「こんなに歩けるようになった!」ととても嬉しそうにしている患者さんの姿です。その時に初めてリハビリテーションというものを目の前で見て、患者さんの生活を変えることのできる・相手を喜ばせることが出来る分野であることを実感しました。

 そこから私はリハビリテーションの分野に興味を持ち始めました。その姿をみた母が「作業療法士」という職業を勧めてくれました。私が話を聞いて当時持った作業療法士のイメージは”患者さんの趣味や好きなことを通じてリハビリをする人”という程度のものでした。リハビリの内容も遊びが多くて楽しいのではないか、という単純なものでした。その後、学校見学に出向き、現在の大学に入学しました。

 入学後に始まった授業では、高校の生物の授業をより深めた講義や、全く聞いたことがなかった骨や筋肉の名前を覚えたりする基礎的な学習が多く、自分がイメージしていた作業療法士の仕事内容とは結びつかない講義ばかりでした。加えて、思っていた以上に医療分野の講義ばかりで、自分は作業療法士という職業を甘く見ていたのではないか、患者さんの身体に関わることへの認識が薄かったのではないかと感じました。
 しかし、別の講義内で作業療法士がただ患者さんの趣味だから遊びや物作りなどを行なっているわけではなく、患者さんそれぞれの身体の機能や今までの大切にしてきた生活をみて、その中の問題点を改善したり良いところを伸ばしたりするために最も効果的な作業を導入しているということを学びました。更に、遊びなどを導入する他、患者さんの生活を見つめ、その患者さんが障害と付き合いながらも少しでも快適に暮らしていけるような生活の仕方を見つける手助けをすることも重要な作業療法士の仕事なのだと学び、新たな作業療法士の魅力も発見しました。

 そして学年は上がり、講義の内容も実習の内容も作業療法士の実際の職務に近づいてくるようになり、自分が作業療法士という職に就くという実感が強くなってきました。特に実習では施設や病院の中で一定期間過ごさせていただくこととなるので、これまで以上に作業療法士が働く姿を身近に感じることができると同時に、自分のなかにあった漠然としていた働くことに対するイメージも具体的になっていきます。
 そのなかで作業療法士として働くためには医療の知識を詰め込むだけでは不十分で、コミュニケーション力など対人関係を築いていくうえで必要とされる力も欠かせないということを実感するようになりました。患者さんとの対人関係だけでなく、指導してくださる先輩方、他職種の方々など働き出したら学生である今よりも多くの対人関係が生まれます。そのひとつひとつの関係を大切にし、ひとりの患者さんの生活に向き合い、サポートすることのできる作業療法士になりたいと思っています。

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