【若手】No.24 OTの時間

OTの時間 こんにちは.私は身障領域の病院で勤務を始め,今年の春で1年を迎えました.
 私がOTを目指した理由は一つではないと思います.病院の仕事に就きたいと思ったこと,その中でもリハビリの仕事がしたいと思ったこと,周囲の職業の影響や自身の体験からも辿り着いた職業ではありますが,大きな理由の一つには人と関わる仕事がしたいと思ったことです.OTになってからの1年間,そしてOTを目指した4年間,OTとして歩んでいる時間はたくさんの人々から学んだものがぎゅっと詰まっていて,本当に大切な時間となっています.

 私は,正直なところOTに対する知識がほとんどないままに入学を迎えました.高校の進学資料で手芸や作業という言葉に惹かれ何となくOTを選択し,作業療法をOTと略すことも,OTの領域分野や,大学で勉強する内容もよく分かっていませんでした.
 そんな私も高校を卒業し,憧れだった大学生に.やっと勉強から開放され,楽しい大学生活…!と心弾んでいました.しかし,知らない言葉ばかりの解剖学から始まり,OTになるための時間が凝縮された4年間は,正直毎日心が弾むような生活ではありませんでした.でも学校生活を振り返ると,不安が募った1年生の心境とは裏腹に,楽しい思い出や心の成長が凝縮された日々でした.
 学校で大変なのは自分だけではありません.みんな一緒です.グループワークや実技の練習,実習前には共に励ましあい,たくさんの友達に支えられました.学校の先生方は学年が上がるにつれ,一番親身になってくれるOTの先輩のようでした.
 入学当時は、将来OTとして臨床に立つ自分の姿はぼんやりとしか想像出来ていませんでしたが,クラスメイトや先生方との日々の中で,OTになる自分というものを見つけていくことが出来たと思います.不安がいっぱいだった実習では,そんなOTとしての自分自身のちっぽけさに挫けることばかりでした.
 しかし,OTについて考え,OTになる自分について考え,実習中の出来事はこれから続いていく日々の中でも一番大切な学習をさせていただいた場であり,現在の私の基盤にもなっています.何より,ちっぽけな学生にありがとうと言ってくださった患者様,向き合ってくれた先生方との時間は忘れません.
 このような,大切な想い出が詰まった四年間の中で,人との関わりの影響力を学んだように思います.学校や実習先,それを支えてくれた人々,今の職場でのすべての人との出会いは偶然であり,その中から私が出来上がっていく.それはとっても素敵なことだと思います.

 人と関わる仕事がしたいという思いから始まったOTの時間の中で,人との関わりの素晴らしさに改めて気付かされます.ひとりひとり違うからこそ,ひよっこOTの私は,難しさにもまた悩んでいます.しかし,そんな毎日はやはり楽しさも凝縮されています.そして,相手にも,私との関わりの中で何かを得ていただけたら….

 OTをこれから目指すみなさん,目指しているみなさん,OTの時間は,私たち人をもっと好きになれる時間だと思います.大変さがあるからこそ,楽しさもあり,何より成長し続けることが出来る時間だと思います.毎日を楽しんで一緒に成長していきましょう.

(2009年3月,神奈川県内の養成施設を卒業)

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