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【若手】No.27 夢は大きく

No.27 夢は大きく|作業療法の魅力を語る 私は身体障害領域の大学病院で働く2年目の作業療法士です。主に急性期と維持期のリハビリテーションを中心に行っています。2年目になりますが、まだまだ学ばなくてはならないことが山のようにあり日々苦労していますが、毎日が充実しています。

 私が作業療法士を目指したのは、中学生の時の自分自身の入院がきっかけでした。ただリハビリにお世話になったわけではないため、当然作業療法士という職業も知らなかったのですが、なんとなく医療の仕事に就きたいと思いました。そして高校生になってから、私の好きな音楽が治療の手段になることを知り、作業療法士に興味を持ち始めました。

 大学に入学してからは、勉強することのほとんどが0からで、苦労もしました。作業療法のことをあまり知らずに入ってきた私にとって、イメージと同じところ、違うところがあり、最初はそのギャップとセラピストになるのは甘くないなぁと痛感する部分もありました。学年が上がるにつれて課題も増え、眠れない日もありました。ただ辛いというよりは同じ目標に向かって頑張る仲間と過ごすことができたため、とても充実していたと思います。臨床実習も作業療法の専門知識を学ぶことはもちろん、一人の社会人として先生方にご指導いただきました。セラピストになる前提として社会人としての自覚を持つことが大切だと身を持って感じました。

 国家試験の勉強も、辛かったというよりは、仲間と楽しく勉強できたと思います。作業療法士のような専門職の学部の良い所は、皆同じベクトルを向いているということです。仲間と楽しい時間も辛い時間も共有できる環境は本当にいいなぁと思います。国家試験前は周りの勢いにのまれて人生で一番勉強したと思います。

 そして晴れて国家試験も合格し、私は大学病院に就職しました。私が大学病院を希望したのは作業療法士の基礎を学ぶだけでなく、医療者としての基礎を学びたいという気持ちからでした。作業療法士は医療専門職であり、リハビリテーションの知識以外に呼吸、循環、栄養など様々な知識が必要です。私は医療専門職として必要な知識をしっかり持ち、それを基に患者様が生きがいを持って生活を送れるように作業療法の立場から支援していきたいと思っています。疾患も様々、状態や背景も様々な患者様に対し作業療法を行うことは、知識、技術、そして人間性も求められ、日々苦労しています。しかし先輩方に指導をいただき、作業療法士として少しずつ成長しながら楽しく仕事をしています。

 さて1年目の時、作業療法は日々の生活が治療的でなければ作業療法ではないと先輩から教わりました。作業療法とは何か、いまひとつはっきりしていなかった私にとって、この一言にはっとさせられました。作業療法士の役割は、患者様が自律した生活を送れるようにするために、患者様の日々の生活を治療的な環境にすることだと考えます。治療というと堅苦しいですが、言い換えれば心身ともに健康に過ごせるようにすることです。この考え方は患者様だけでなく、作業療法士の私たちの生活にも当てはまりますね。私は勉強も一生懸命やりますが、同じくらいプライベートも充実させるようにしています。つまり自分にも作業療法をしているということです(笑)

 デンマークでは高齢者人口が増え、医療保険が国の財政を圧迫するため、健康な高齢者や寝たきりが予想される高齢者に対し、予防的リハビリテーションが行われています。リハビリテーションにより機能改善・維持を行うことによって健康寿命を伸ばし、サービスの利用を抑え、高齢者の自立した生活を維持することを目指しています。日本も今後高齢者が増え、国の財政を圧迫することは明らかです。日々の生活に治療的要素を持たせるということは、今後非常に大切な考え方であると同時に、まさに作業療法の出番であると思っています。制度や仕組みなど課題はいろいろありますが、日本社会が作業療法に求めているものは非常に大きいのではないでしょうか。そして私自身も現状に満足するのでなく、今後新しいフィールドを開拓していきたいと思っています。

 まだ経験も浅く、学ぶことが山積していますが、夢は大きく掲げていきたいです。作業療法士としても、一人の人間としても成長できるよう努力していきたいと思っています。作業療法士を目指している方も、大学に入学することを目標とするのでなく、作業療法士になって何がしたいのか、どんな自分になりたいのかイメージしてください。まだまだこれから必要とされる職種だと思っています。もし縁があって作業療法士として働くことになったら、ぜひ一緒に頑張りましょう!

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