2026年 新年挨拶

一般社団法人神奈川県作業療法士会
会長 神保武則

会員の皆様、医療専門職団体の皆様、そして県民の皆様、新年明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。当会も様々に事業や企画を遂行して参りました。その一つ一つが後世に残す実りあるものでした。皆様のご指導、そして、ご協力に心より感謝申し上げます。

さて、今年はどんな年になるのでしょうか。将来に繋がる発展的な展開を期待できる年になると良いのですが、脳裏に過るのは不安ばかりなのが正直なところ。今年は誰もが関心を寄せている診療報酬改定の年。高市政権がどこまで本気になって医療や介護機関の経営の立て直しを考えた政策を立てるのかが見所の一つ。全国的な赤字経営となっている医療機関が声を上げ悲鳴を訴えているが、どう出るか。はたまた、そこで働く医療従事者である作業療法士の処遇改善をここ20年以上訴え続けているが、どう出るか。新政権は、生活物価高に見合う改善と言葉では言うが、果たしてどう出るか。そうこうしている内に、いよいよ現場での人材不足が現実的な課題となり、また、病院の予備力(いわゆる持ち出し金や財力)がないところはどんどん閉鎖に追い込まれている実態を、どう見るか。社会的に一極に集中する地域医療体制になりつつある今、特に地方の医療体制を崩壊に導いている現状も事実である。日本の医療・介護・福祉体制に不安を募らせる関係者からの願いをどこまで受け入れるのだろうか。我々は国家資格を有した作業療法士である。専門職としての高いプライドをもち、患者や利用者に向き合っている有能な専門職だが、緩やかにその数は減少傾向にあり、皮肉にも認め難い事実が露になってきている。将来を共に考える仲間に対する後進育成も危機的状況と言える。各医療機関の作業療法士たちは、病院経営に貢献するために今まで以上の汗を流しながら臨床業務を果たす傍ら、学生の臨床実習指導にも貢献している。1人が何役も役割をもっており、実に疲弊をもたらす負の仕組みができている。患者も学生も被害者となっている負の仕組みから、早々に脱却を期待したいところでもある。客観的には『ヒト・モノ・カネ』のサイクルが行き詰まる様を、目の当たりにしていると感じざるを得ない。働き方改革は医師だけではない。どの医療従事者も減少している中、皆歯を食いしばって頑張っている。更に追い打つかの如く、高齢者人口は2040年にはそのピークを迎える。いくら日本の総人口が減少傾向であっても命に向き合う医療・福祉・介護体制は決して疎かにしてはいけない。我々をもっと大事にして欲しい。素直にそう思う。

2025年度、当会は昨今の時流をしっかりと捉えられるよう組織図を改めた。副会長を2人から3人とし、部門同士の連携を図るための事業執行体制を強化していく構図を作った。さらに会員制度として、学生会員と永年会員制度を追加し、組織基盤を再構築するための一石を投じた。永年会員の皆様には今まで培った経験や実践を是非とも会員や県民に向けて発揮して頂きたく思う。また、是非とも学生会員に入会して頂き、我々と共に本質を問う作業療法士の教育指導の充実と後進育成を新たに描けるよう、声を高く発信していきたいと思う。

2026年の干支は午。午年は「躍動」「成功」「勝負運」の象徴。力強く前進する馬の姿から「発展」「幸運」を意味し、縁起の良い干支と言われているそうです。当会も前を向き躍動する有力な組織として、改めて皆さまのご理解とご協力を頂きたいと願う所存です。

一人ひとりが作業療法を大事に伝え、作業療法士として “作業療法士で良かった” と、誰もが希望や幸福感の溢れる言葉が言える年になりますよう、心より祈願致します。
本年も何卒宜しくお願い申し上げます。


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