Category: スライダー

「認知症カフェもっともっとIII」お知らせ

今日は「認知症カフェもっともっとIII」をお知らせいたします。

主催は、認定NPO法人市民セクターよこはまさんで
横浜市健康福祉局が後援しています。

開催日時は、2018年3月16日(金)17:30〜20:30

場所は、横浜情報文化センターホール 6階(みなとみらい線「日本大通り駅」3番出口すぐ)

対象は、地域で認知症のある方の居場所を作りたいと考えている方やNPO、行政、専門職、企業等)

定員は、先着200名で事前申込制

参加費は、1000円

プログラムを見ると
講演や実践報告の他に、参加者同士で3人1組になってのミニグループワークもあり
なんだか、このフォーラムそのものがカフェみたいでワクワクしてきますね。

チラシも暖かい雰囲気がほんわかと伝わってきてとてもステキです (^^)

お申込は、FAXやメールで!
詳細は上記チラシをご参照ください。

私も行きたいなー。
勤務調整次第だけど行けたらいいなーと思っています☆

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座右の書

私は特養で働いていますが、研修などで会った人から「特養で作業療法士は何をするの?」と聞かれることがあるんです。自分の仕事ぐらい説明できないとダメなのでしょうが、情けないかな「作業療法士として」と前置きされると私は言葉に詰まります。ちょっとややこしいですが、私は特養で「作業療法士として」ではなく、機能訓練指導員として働いています。では「機能訓練指導員として何を?」と問われれば、私は大まかにひと言で「生活のお膳立て」と答えることにしています。入居者が過ごしやすい環境づくり、入居者の身体のコンディショニング、介護職の負担が軽くなるような提案、などなど、そのお膳立ては様々です。「車椅子のタイヤがパンクした!」と連絡があれば、すぐさま修理に駆けつけもします(笑)。

そんなお膳立ての中で、介護職と認知症ケアについて話し合うことがあります。そんな時についついヒートアップしてしまうのは、私も認知症ケアについては大いに悩んだ人間だからでしょうか。そんな悩みの中で本を読み漁っていた頃、出会った1冊があります。

室伏君士編『痴呆老人の理解とケア』

編者であり著者の室伏君士は認知症ケアの草分けであり、おそらく我が国で初めて認知症ケアの理念を提唱した人だと言われます。「老人にそった理にかなったケア」を築く。かなり古い本で恐縮なのですが、今読んでもこの本から学ぶことは多いし、介護保険制度が始まる15年も前に書かれていたことには驚くばかりです。悩みに悩んでいたあの頃、この本に出会っていたらどんなに心強かったか、、、

 

室伏君士は『老年期痴呆の医療と看護』の中で作業療法にも触れています(この本も介護保険制度の10年前に書かれています)。これらの本は私の座右の書ともいうべき2冊です。

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家族ならではの距離感

認知症のある方に対して、ご家族は対応に苦慮する事があると思います。「何でそれができない」「何度言ったらわかるんだ」語気を強め、本人に問い詰めている場面をみかける事があります。以下に以前あったケースの話を書きます。

認知症を呈しているA氏とご家族。面会に来ている際、自動販売機でお茶を購入するはずが、違ったものを買ってしまい怒られているA氏。面会中、傍から見ていると尋問をしているかのように感じ取れる話し方をするご家族。ご家族の面会後もA氏の様子は至って変わりありませんが…。
ご家族には一度、認知機能の評価をお伝えし、どのような事が行えて、どのような事がわからなくなってしまうのか。現在リハビリでの目的や課題をお伝えした事がありました。

ある時よりA氏に物取られ妄想や帰宅願望が出現し始めました。その際、ご家族との関わりの中でも変化が見られ、喧嘩をしそうになりスタッフが仲裁に入りました。そのスタッフに対しA氏が手を挙げようとしたため、ご家族が激怒しました。スタッフは以前よりA氏とご家族の関わりを心配しており、それでBPSDが強くなっていると考え、ご家族の面会をお断りする運びとなりました。それより、一層帰宅願望が強くなり、易怒性や攻撃性、脱抑制がみられるようになりました。

専門病院に受診し、内服を開始。その後、症状が増強したきっかけがご家族の面会謝絶であることと考え、ご家族に再度面会に来て頂きたい事を伝えました。面会に来たご家族に対しA氏は笑顔を見せていました。面会後の様子は普段と変わらず、症状が増強する様子もありませんでした。
内服調整がうまくいった結果と、定期的なご家族の面会が始まってからは、BPSDは消失しています。

第三者がみた「A氏とご家族の関係」と、「A氏とご家族」の二者関係はイコールではない、家族には「家族ならではの距離感」があるという事を認識しました。情報収集を行い、適切な環境を整える事が大事であると感じたケースでした。

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お花マグネット

先日行われた「認知症をにんちしよう会」の景品で用いられた「お花マグネット」をactivityで紹介します。

<材料>
ペットボトルキャップ、リボン(両面テープがついたもの)、マグネット、紙粘土(茶色や緑だと綺麗に作れます)、造花、ラッピング袋、はさみ
※すべて100円均一で揃います
※リボンに関して、両面テープを自分でつけて貼る方法もあります。しかしはがれやすいため、グルーガンで止める必要があります。

<作り方>
①ペットボトルキャップの外側にリボンを柄のついたテープを貼る。
②ペットボトルキャップの中にマグネット入れる。

③紙粘土を敷き詰める

④造花を適切な長さに切る(造花の柄の長さは0.5cm~1cm程度だとコンパクトにまとまります)

⑤挿す

⑥完成

⑦ラッピング袋に入れる。

<段階付け>
花の種類を少なくする→花の種類を多くする

柄の長さを予め切っておく→自分で調整して切ってもらう

見本を真似る→自由に作成する

<特徴>
見栄えがよい作品が出来上がります。
他者へのプレゼントとしても好評です。
柄の長さを大体揃え、隙間なく埋めると綺麗に仕上がります。
道具は100円均一で揃います。
対象者のセンスが光ります。

<注意点>
巧緻性が低下することで花と花の隙間できやすくなります。その他、隙間に花を埋めようとした時に、しっかりと刺さっていない事がありますので注意が必要です。

<適応可能な状態像>
短期記憶が低下している方でも可能です。(昔華道をされていた方は上手かもしれません、試した事はありませんが…)
段階付けにて難易度を下げる事で、多くの方が対象になります。

<投稿者からの一言>
一回の介入時間で作成することができます。
贈答には持ってこいの活動だと思っております。
柄を切る作業は握力も必要になります。高齢者だと難しい場合があるので、切ってから渡すとよいです。
最初の見本作りは手こずると思います(花の種類と配色、柄の長さを難しく考えてしまうため)。対象者に提供する際は、難易度設定を一番低くしてから提供すると上手くいきます(^^)

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キーファインダー


今日は、キーファインダーをご紹介します!

「お財布がない」
「通帳がない」
「印鑑がない」

大切なものだからなくさないようにきちんとしまっておこう。
と思ってどこかにしまったはずなのに
そのどこかが思い出せなくて
いざ必要な時に困ってしまう。
あるいは、「あんたが盗ったんだろう」になってしまったり。。。

一緒に探すにあたっても
どこにしまってあるのか見当がついていればまだ探しやすいけれど
見当もつかないような、思いもよらないようなところにしまってあると
探すにも一苦労です。
時間もかかるし、探すのにかかる心身のエネルギーの消耗も相当なもの。

そんな時にオススメなのがこちらのキーファインダーです。

各社から販売されているようで
Amazonで「キーファインダー」を検索すると
¥2,000円〜¥4,000円でいろいろな商品がヒットします。

なくしやすいものが
通帳なら薄手のもの
鍵なら厚みがあっても小さなもの
お財布の中に入れるかお財布にリングを通して使うか等
キーファインダーの子機の厚みと大きさと使い勝手を検討するのが良いと思いました。

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いつものカウントの工夫でコグニサイズ

 立ち座りや膝屈伸などの基礎練習を行う時、だいたい10回が1セットの目安になってくると思います。

 私が担当する利用者で、体力的に10回ではなく連続20回実施したい方がいたのですが、10回になると「ちょっと休ませて」「1回休憩」などと言って自己終了していました。

 そこで、20回からの逆唱でカウントするようにしたら途中で止まらずに連続20回出来るようになりました。

 

 前頭葉機能がある程度残存している事が必要になってくると思いますが、

①心理的に、数が減っていく方が頑張れるという事

②逆唱することに一生懸命になり、最後まで集中が続く事

などが理由として考えられると思われます。

 

 利用者は記憶障害があり、曜日やリハビリの内容なども忘れてしまいますが、カウントを20から始めると「あ!そうね、あなたは20から数える人だったわね」と思いだしてくれます。

 

 ただの運動のカウントですが、たとえ10回のカウントだとしても、コグニサイズにもなると思うので前頭葉機能がある程度保たれている方には1つの方法として良いと思います。

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切り紙

手指の巧緻性が保たれている方にオススメのActivityとして「切り紙」をご紹介します☆

<材料>
綺麗な折り紙・和紙・包装紙

 

<準備>
よく切れるハサミ
(私は紙を切る専用のハサミを用意しています)

 

<作り方>

折り紙を三角に3回折りたたみます。
「切り紙」の本などを参考にして模様を書きます。
(折りたたみ方もいろいろあります)

この時に図と地の判別がしやすいように切り落とすところを塗りつぶすと
切り間違いを防ぐことができます。

ここまでは、あらかじめ準備しておきます。

ハサミで線の通りに切っていただきます。
「折り紙が1枚になるようにそーっと広げてください」
と言って広げていただきます。

ハサミで線にそって切り落とすことが可能な方であれば
折り紙を破らないようにそっと開くことが可能だと思います。

この時に、黒い台紙の上に
切り開いた折り紙を置いていただくと
一層綺麗さが引き立ちます。


<難易度の段階づけ>
A シンプルな模様 → 複雑な模様
複雑な模様の方が難しくなります。

B 直線で構成された模様 → 曲線で構成された模様
曲線の方がハサミの扱い方、両手の恊応などをより要求されます。

C 大きな模様 → 小さな模様
大きな模様の方が簡単です。


<特徴>
手指の巧緻性、両手の協応性など身体能力は必要ですが
認知面では工程を覚えなくてすむという面があります。
線にそってハサミで切り落とすだけで完成します。
広げた時の見た目の綺麗さは思わず「わーステキ!」と声が上がります。
100均などでも綺麗な折り紙がたくさん売られていますし
お菓子の包装紙もおしゃれで綺麗なものがあります。
同じ模様でも紙が違うと雰囲気も変わります。
材料費も安価でコスパもGood!

 

<適応可能な状態像>
工程を覚えなくてもできるActivityなので
近時記憶が低下していても
即時記憶が保たれている方で
手指の巧緻性が保たれている方に向いています。
お年寄りだと手指の巧緻性が低下してしまう場合が多いですが
中には手指の巧緻性が保たれている方が必ずいらっしゃいます。
そのような方にオススメします☆

 

<投稿者からのひとこと>
見た目がとても綺麗なので、ご家族の方にお見せすると
「こんなに綺麗にできるんですね」と驚かれ喜んでいただけます。
性格的には几帳面な方、丁寧にモノゴトに向き合う方で
かつて縫い物や編み物を好まれていた方などに適していると思います。

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あずま袋

 

今日は、お年寄りの手続き記憶として定着している
「手縫い」を活かせるActivityとして「あずま袋」を紹介します☆

 

<材料>
手ぬぐい1枚
 もしくは
ふきん(縦横同じ長さを3枚1組)

その他に、縫い針&指ぬき&糸

 

<作り方>
* 手ぬぐいバージョン
手ぬぐいを表側(柄)を上にして机の上におきます。
手ぬぐいの横の長さを3等分します。

線Aを軸に中表に折り畳みます。
このときに赤い線の部分を青い線の部分が重なるように
黄色い線の部分と緑色の線の部分が重なるように
茶色の線の部分とオレンジ色の線の部分が重なるように折り畳みます。


布が2枚重なった状態の赤い線のところをまっすぐに縫います。
次に線Bを軸にして右側の布を中表に折り畳みます。

真ん中にある2枚目の布は縫わないように気をつけて、一番下の布と一番上の布の青い線の部分を縫います。
真ん中の布は下の写真のように少しよけておくと良いと思います。

(布が表裏反対ですけれど、イメージが伝われば)

ひっくり返して外表にして、持ち手を結べば出来上がり☆

 

* ふきん3枚組バージョン
ふきんをそれぞれ中表にして縫い合わせて、3枚で1枚の横長の状態にします。

同じように縫っていきます。
ひっくり返して、持ち手を結べば出来上がり☆

 

<難易度の段階付け>
手ぬぐい1枚の方が2カ所縫うだけで完成できますし
どこを縫うのかイメージしやすいようです。
ふきん3枚組だと、合計で4カ所縫うのと
縫うたびに布を折り畳んだりするので構成障害があると混乱しやすいかもしれません。

<特徴>
手ぬぐいもふきんも、どちらも周囲がすでにかがられている状態で販売されているので
まっすぐに縫うだけですぐにできるのがポイント高し☆
かつて、和裁を習っていた、羽織袴を縫っていたとおっしゃるお年寄りは多くいらっしゃいます。
けれど、浴衣や着物を縫い上げるとなると工程も多く難易度も高くなってしまいます。
このあずま袋なら、手縫いをしていたという手続き記憶を活用して
工程を覚えなくてもすぐにできあがるし、完成した時の見栄えがとても良いので
お年寄りの満足感も高いですし
ご家族へのプレゼントにすれば、間違いなく喜ばれて
「そういえば、昔よく縫い物していたなぁ」等と
かつてのお姿を思い出せるきっかけになるのも良いところだと感じています。

<適応可能な状態像>
かつて和裁などの縫い物をよくしていた方
両手の協応性が保たれている方
近時記憶障害が重度でも即時記憶が保たれている方

<投稿者からのひとこと>
工程が少ない
短時間で仕上がる
できあがりがキレイ
と認知症のある方にももってこいのActivityだと感じています。
ただ、くれぐれも針の取り扱いには要注意です。
お年寄りは、ちょっとお茶を飲んだりという時に
針をご自身の上着などに刺したりすることもあります。
そのまま忘れてしまったりすることのないように気をつけますし
開始前と終了後に針の本数を数えるなどのリスク管理も徹底しています。
ー PS ー
お年寄りが縫いながら針先を髪の毛につける仕草が大好きです (^^)

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