【在校生】第21回 初志貫徹

初志貫徹 障害者の方はどのようにして生活を送っているのだろう?
 以前から、私は障害者の方と接する機会が多かったせいか、障害を持っている人がきちんと社会参加できるようなサポートがどのように行われているのかと疑問を感じていました。
 そして、障害をできるだけ軽減し、正常の人に近づけるリハビリテーションというものがある。では、リハビリテーションを提供する人ってどんな人?ということで調べた結果、理学療法士と作業療法士という職種があると知りました。それに携わる人になろう!と思い、作業療法士になろうと決心したのがきっかけでした。

 結局、理学療法士を選ばず、敢えて作業療法士を目指す道を私は選びました。その理由は、私が考えていたリハビリテーションが理学療法より作業療法の方が近かったからです。
 いくら治療や訓練をしても残ってしまう障害と付き合って生活をできるようにする。障害者の方とそのご家族が一番望んでいる事は、やはり「生活が普通にできること」ではないか、そう考えると、より「普通の生活」を考えてリハビリテーションを行う作業療法が私の考えているリハビリテーションに一番近いと思いました。

 現在、私が作業療法士養成校に入学して2年と数ヶ月が経ちました。来年はインターン、そして国家試験、就職という私にとって重要な年です。この間で講義を受けたり、課題などをこなしたりしているうちに、作業療法だけでは治療しきれない患者さんの現実があることも知りました。
 そのように、いろいろと悩んだ後は必ず自分が初心に返って作業療法士として早く自立しようと鼓舞してきました。どんなに迷っても作業療法士を目指すのをやめることにはなりませんでした。今では、そのことについて悩むことはありません。少しでもたくさんの知識を身に付けるために勉強を続けています。

 私はまだ学生で、これから医療職につきたいと思っている人に適切な助言など言える立場でもありませんが、一番大切なことは「何故その職業を選ぶのかという出来るだけ明確な意思を持ち続けるということ」だと思います。

 これからますます日本は高齢化社会に向かっています。心身の障害者の方も増える傾向があるようです。理学療法士にしろ、作業療法士にしろ、歴史がまだ浅い職業です。時代のニーズに応えて出来たキャリアでもあります。どのようにして患者さんをサポートする仕事かをよく調べて研究して下さい。そして、一度決めた自分の意思を貫徹して欲しいと思います。
 今、作業療法士を目指そうとしている人、まだ迷っている人もよく考えて、答えを出して欲しいと思います。

(2007年6月現在,神奈川県内の養成施設に在籍,3年生)

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