【在校生】第11回 4年間を振り返りました

4年間を振り返りました 私が作業療法士を目指したきっかけは、ひとつの夢を実現し終えた時、そこでの経験から誰かに必要とされる職業を考えました。
 その中で作業療法は何らかの痛みを負った方の、前や後ではなく、隣で共に歩むことができる職業だと思ったからです。

 養成校に入学後はどの科目も覚えることが多く、ついていけるのかどうかと不安に思う事もありました。私は苦手科目も多くありましたが、グループワークを用いた授業は、友人の色々な意見を聞く事ができる貴重な時間で積極的に取り組む事ができました。
 みんな作業療法士になりたいという思いは同じでも、自分ならどうするかということを話しあっていますと、授業の時間はあっという間に過ぎていきました。作業療法士になるための授業は本当に大変ですが、それ以上に得る事が多く、頑張りたいという思いを常にもっておりました。
 時々、くじけそうな時もあるのですが、そんな時は友人と支え合える、そんな暖かい友人に出会えた事もかけがえのないことの一つです。

 作業療法士になるための単位の一つですが、臨床実習という実際の医療・保健・福祉施設で学ぶことができる機会があります。しかし臨床実習では、学校で勉強した事は最低限のものだと痛感させられる場面に何度も遭遇します。
 実際に対象者の方を目の前にしますと、何が求められているのか、どうするべきなのかといった事を判断し、行動しなければなりません。私は戸惑ってしまうことも多くありましたが、学校で教えていただいた「主語は患者様」という言葉をいつも心において取り組んでいました。
 そして、少しの工夫でより生活しやすくするにはどうすべきか、対象者の方自身が持っている能力をいかに活用するのかといったことなど考えられるようになったのではないかと思います。

 実習を終えた今、改めて作業療法の奥深さを感じております。一人の対象者の方に対してどのような作業療法をすべきかと考えた時、アプローチは作業療法士の数だけあるのです。答えがない事は難しい事でもあるのですが、そこに作業療法の魅力を感じています。

 私は国家試験に合格したら作業療法士として働きますが、その時は「私にしかできない、自分らしい作業療法」ができるようになりたいと思っています。それが具体的にどういったことなのかは正直なところ、今の私には分かりません。
 けれども対象者の方との多くの関わりを通して、その対象者の方の本当に求めることにアプローチしていけたら、少しずつ見つけていけるのではないかと思っています。今はそれに向け、国家試験合格を目指し頑張っているところです。

 こんなに世界が広くて、自分らしさが活かせる職業なんて作業療法の他にはないと思います。対象者の方の世界を広げる、ほんの少しのお手伝いができる作業療法はとても素敵で、目指して本当によかったと感じています。

(2006年2月現在,神奈川県内の養成施設に在籍,4年生)

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