【在校生】第9回 作業療法士に成る

作業療法士に成る 私は中学生の頃から薬剤師を目指していました.高校3年生の受験期に,友達が作業療法士を目指している事を知り,そこで初めて作業療法士という職種があることを知りました.
 しかし,作業療法士ってどんなことをするのだろう?歩けなくなった人を歩かせたりするのだろうか?などと理学療法士との違いなど全く分かっていませんでした.

 そこからなぜ作業療法士養成校を受験したかと言うと,ある種思い込みのように目指してきた薬学部の合格の保障がどこにもなく,予備校のチューターからも他の学部も受けてみたら?という言葉があったからです.
 じゃあ,他の学部ってどこがいいかな?と考えたときに浮かぶのは”資格”が取れ,”人と接する”事ができ,”医療系”というキーワードから出てきた言葉が作業療法士でした.作業療法士とは…という紹介文を読んで薬剤師より,ひとと接する事が多いことに惹かれました.

 長年目指してきた薬剤師,新たに興味をもった作業療法士,どちらが自分に合った,自分にとってやりがいのある仕事なのだろうという思いのまま両養成校を受験しました.そして結果は作業療法士養成校のみの合格.薬剤師への未練も残ったまま作業療法士養成校に入学しました.

 入学してからは主に解剖学,生理学に追われ慌ただしく1年目は終わっていきました.
 2年目に入ると作業療法の専門科目も増えてきて,実際に検査の仕方や疾病について学ぶようになってきました.また,解剖学実習,生理学実習,運動学実習など学内実習が多くなり,グループで実習をしたり,放課後残ってレポートや発表用のスライドを作ったりとクラスの友達や理学療法学科の人たちとも仲良くなってきて学生生活が時間に追われながらも,とても楽しいものとなってきました.

 そして,評価実習で,直接患者様と接し,また現場の作業療法士の患者様への接し方,作業療法士としての自分の信念をもって治療を行っている姿をみて,今までは教科書や先生の言葉から漠然と描いていた”作業療法士”ではなく,自分はどういう作業療法士になりたいのだろう,患者様とどう接していけばよいのだろうなどと,より具体的にまた,より身近に考えていくようになりました.
 そして実習にでて,今まで学校で学んできた知識がどんなに重要なのか,その知識をこれからは身につけることが大切だと実感しました.

 そんな実習が終わった3年目はクラスの友達とこれからの進路についてや,それぞれが描く作業療法士像,授業の内容についてなど話す事が増え,自分たちが進む道が現実のものとして身近になってきました.
 そのためか最近は”友達”が同じ夢に向かって共にがんばる”仲間”として感じるようになりました.まだ”作業療法とは…”や”作業療法士とは…”など自分の言葉として説明することは無理ですが,これからの臨床実習,現場で働くようになってからと少しずつ自分なりの形にしていければ,と思っています.

 確かにいわゆる学生生活とはちょっと違った忙しい学生生活かとは思いますが,忙しくても,大変だと思っても目指すものがあれば必ず充実した学生生活を笑顔で送れると思います.少しでも興味があればそこからきっと広がっていくと思います.

(2006年1月現在,神奈川県内の養成施設に在籍,3年生)

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