【若手】No.3 作業療法士になって感じること

作業療法士になって感じること 私が作業療法士として働くようになり三年目の春を迎えようとしています。作業療法の世界へ足を踏み入れてからのことを簡単ですが、ここで述べさせていただきたいと思います。

 学生時代は、課題やテスト、試験に追われ、そしてもちろん友人と遊んだり、アルバイトをしたりしているうちにあっという間に過ぎてしまったといった感じでした。
 そして私は大学卒業後、興味を持っていた脳について学べる大学院へ進学しました。

 なぜ、大学院へ進学したか、理由は二つあります。
 一つ目は、実習先でも高次機能障害の患者様と接することがあり、それまで分かっていた何でも無いことが分からなくなってしまうといった症状に触れ、脳の神秘さに強く惹かれました。また丁度そのころ、TVで盛んに脳についての番組が放映されていました。私はそれを観て、脳って凄い!もっと知りたい!と思ったのです。
 二つ目は、作業療法が対象とする幅は多岐に渡っており、何か一つ専門的としてより科学的に学び得たいと思っていたからです。

 大学院では神経心理学(高次機能障害)について、深い知識を得ることが出来ました。そして私はここでとても大切な経験をしたと感じております。
 研究室は、医局にありそこに所属する学生は、医学部の学生から心理学を専攻していた学生、そして社会人の方まで様々でした。バックグラウンドの異なる考え方を持った仲間と接する中で、学生の頃より幅広く物事を考えられるようになったと感じております。
 また一歩離れた立場から作業療法の良い面、改善すべきと思われる点も見ることが出来ました。また、研究方法を学べたことも大きな収穫です。
 作業療法はまだ若い分野で、職人技のような面も多く持ち合わせていると思います。今後、それをより科学的に立証していくことが必要となってくると強く感じました。

 現在、私は回復期リハビリテーション病棟に勤務しております。実に様々な患者様と接し、疾患から生活全てを視野に入れてアプローチしていきます。学生時代、机に座って学んだ作業療法より何倍も楽しい臨床です。

 リハビリは常に人と接するという仕事です。働き始めた頃は、患者様との接し方等について悩んだことも多くありました。
 しかし、人それぞれの持ち味を生かしたリハビリが出来ることこそが作業療法の魅力でもあると感じるようになりました。現在は毎日様々な方々と接し、色々な発見も多く、本当に楽しく仕事をしています。

 臨床に出て大変なことや辛いことも多くありましたが、常に患者様に元気をもらって、支えられて、ここまで働いてこられました。「患者様から学ぶことが一番大切」という気持ちを忘れないで今後も頑張りたいと思います。

(2002年3月,群馬県内の養成施設を卒業)

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