【在校生】第13回 作業療法との出会い

作業療法との出会い 部活と勉強に明け暮れた日々を過ごしていた高校時代、やりたいことを見つけるためにと親に頼み込んで進学した大学生活。Bigになるぞ!と思いながら営業活動をしていた社会人時代をこれまでに経験してきました。
 辛い思いも沢山ありましたが、学ぶことも多く、同志の集まりや社会勉強など様々な貴重な体験をさせて頂き、非常に充実した生活をしていました。

 ある機会があって、このリハビリテーションの世界を知り、本やインターネット調べてみました。すると「人との繋がり」、「信頼関係」、「支持的役割」、「人に奉仕する姿勢」など、調べれば調べるほど次々と興味が沸いてきました。
 もともと単純に人の役に立てる仕事に就きたいと考えていた私は、このリハビリテーションの世界で今まで以上に自分の力を発揮する場・活躍できる場があるのではないだろうかと思い、悩みに悩んだ末、養成校に進むことを決断したのです。

 実は最初理学療法士を目指していましたが、3年次も終わりに近づいた今、作業療法学科に入って良かったとつくづく思います。というのは・・・

 クラスメイトの殆どが現役生であり、最初は年齢的な面を考えると不安や戸惑いを感じていました。しかしそれぞれ作業療法士を目指す者にとって、意気投合するには時間がかかりませんでした。社会人経験者も数人おり、自分もまだこの若さに着いて行ける♪と再確認することができました。
 さらに溶け込んで行くうちに、クラスメイトのモチベーションの高さに驚くばかりで、同年代は然り若い人からも学ぶことが多く、お互い刺激し合いながら日々成長していると感じています。

 また作業療法の素晴らしさを教えてくださる方々と出会えたのも、自分にとってかけがえのないものとなっています。仕事を辞めて再度学校に通うことに疑問を感じ始めた1年の冬、ある先生から「作業療法って本当に楽しい仕事だよ。この楽しさを皆に伝えたい。」と聞きました。
 充実していた営業の仕事について本当に楽しくやっていたのかと問われたら、正直言って首を縦に振ることはできませんでした。心底楽しみながら働ける作業療法士を目指したのは、間違えではなかったと感じた瞬間でした。

 講義の内容については、1年次に基礎科目を受講して、基本的な人間の仕組みや心理過程、リハビリテーションの概念などを学んでいきます。不思議なことばかりで、これ程集中して聴講することは今までないと言っても過言ではありませんでした。
 2年次から3年次にかけては、専門科目から応用科目と徐々にステップアップしていきます。胎児期から高齢者における疾病の特性についての講義や、患者さんの状態を診るための様々な測定法(観察や検査法など)、治療に活用する手技(介助法やアプローチ法など)や個人・集団のアクティビティー(陶芸や革細工など)、自助具の作製、地域リハビリテーションなどの講義を受けています。
 そして4年次には本格的なインタ-ンが始まります。これまでに学んだことを最大限に活用して、自分の考えを交え他職種の方と連携を取りながら、患者さんに対して親身になって関わっていきます。

 来年度は、1年次から3年次の集大成であるインタ-ンがいよいよ始まります。その準備期間として今現在も先生や仲間と一緒に勉学に励む毎日です。
 今や高校や大学の同期は、バリバリ働き盛りで、役職も就き、マイホーム購入やJr.誕生など羨ましい話を聞きます。しかし、それ以上に財産となる出会いを手に入れていると思っているので、焦らず自分のペースで自分らしい人生設計をしていきたいと思っています。
 これまで色々と遠回りしてきましたが、今まで以上に誇りを持てる学生生活にするためにも、来年度のインタ-ンを万全な体勢で臨み、無事に終了したいと考えています。

 最後に、作業療法士を目指し養成校を受験しようと考えている方たちにお話したいと思います。前述しましたが、養成校では先ず基本的なことを身に付け、徐々に専門的な科目から応用へと、それぞれ専門分野の優秀な講師から細かな指導を受けます。従って、入学に当たり受験前の専門的な知識はそれ程必要ないと思います。
 作業療法について事前に調べてみても、養成校に入って多くの専門知識を学ぶことができるので、「やる気」と「人の心を思いやる気持ち」さえあれば、十分やっていけると思います。
 そうは言っても、本当に辛く、崩れそうになる時は必ずやってきます。そんな時は、作業療法士になろう!と思ったときの「きっかけ」や「気持ち」を忘れず、初心に帰れば大丈夫です。

(2006年2月現在,神奈川県内の養成施設に在籍,3年生)

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