【在校生】第5回 物を作ることで人が元気になることを助ける仕事

物を作ることで人が元気になることを助ける仕事 物を作ることで、人が元気になることを助ける仕事があるのか・・・それが作業療法士を目指そうと思った最初のきっかけでした。
 物を作ることが好きで、製造の仕事を目指したこともありましたが、挫折。いままでしてきたことを何か別の形で生かすことはできないかと、考えていた時に、作業療法士という仕事に出会い養成校の門を叩きました。

 養成校へ入学してみると、陶芸、革細工などの物をつくる授業はなかなか始まらず、解剖学・生理学・心理学など人間の心と身体の仕組みについてや、病理学・整形外科学・精神医学など病気についての授業ばかり、覚えることの量の多さについていくのがやっとでした。
 実際実習に出て患者さんと接してみると、右手が動かないのは・・・’筋力が落ちているから?”脳の命令による問題?’それとも、’心の問題?’そしてそれは’何の病気によって起こっているのか?’など、この山のような授業の知識がどれも必要で、今になってもっとしっかり勉強しておくべきだったと痛感しています。

 一方で陶芸など物を作ることも大切で、実習中利き手である右手に麻痺がある患者さんに、籐細工を勧めると「私にできるの?」「何もやりたくはない。やれと言われればやるけど・・・」とおっしゃっていたのが、作品が出来てくるにつれ、他の患者さんがやっている作品を見て「今度はあれをやりたい」と物を作ることに意欲を持つまでに変わられました。
 作業(物を作ること)を通してリハビリを行う作業療法の一部を垣間見ることのできた経験でした。

 作業療法士には、機能訓練、生活訓練、レクリエーション、自助具の作成、訪問リハビリテーションなど様々な仕事があり、入学する前の印象とは異なることばかりですが、’物をつくることを通して人が元気になれることを助ける仕事’、このイメージは今も変わっていません。
 患者さんの身体機能だけでなく、心の動きの変化を観察し、アプローチしていくことができるのが、作業療法士の大きな魅力だと思います。

 ’物を作ることが好きで・・・’今思えば、志望動機がやや不純だったかな?と思います。しかし実習を通して患者さんが元気になっていく姿を肌で感じ、作業療法士っていい仕事だなと思い、今は早く作業療法士として働きたいという思いでいっぱいです。
 その第一歩としてまずは、国家試験に合格することを目指し、努力していきたいと思っています。

(2005年12月現在,神奈川県内の養成施設に在籍,4年生)

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