Tag: レクリエーション
以前,「一泊旅行はどこに行くでしょうか?」と投げかけたままになっていましたので,ここでは旅行の様子をお伝えしたいと思います.
利用者同士で話合いを重ね,今年の旅行は群馬の水上で「キャンプファイヤーをしながら花火を楽しむ」ことと,数年前から案として挙がっていた「乳搾り体験」に決まりました.
とは言っても10月のキャンプ場です.楽しみにしていたキャンプファイヤーは非常に寒く,火が燃え上がる前にみんなは早々に部屋へ戻っていってしまいました…今年も天候に負けた感はありますが,事前にみんなで予算を決めて花火を購入しに出かけたり,ランタンや懐中電灯を準備するなど,それぞれの楽しみはありました.
乳搾りは,グリーン牧場へ行きました.ここは整地された場所だけではなく,芝生の上を歩いたりする場所もあるのですが,利用者のなかには車椅子を使用している方もいます.このとき,利用者同士で車椅子を押すのを手伝ったりと,私たちが期待している以上のナチュラルサポートがなされていました.職員が先回りして手を出してしまうと,このような場面を見ることはできなかったな,と感じました.
今回の旅行で,その気づきを促してくれたのはバスの乗務員さんでした.昨年も同じ方が担当してくれていたのですが,「この施設の職員って何にもしないで,みんなにお任せですね」と言われたのです.一瞬なにを言われているのかわからなかったのですが,よくよく聞いてみると「他の施設では職員が親切になんでもやってあげている」ということだったのです.
支援者はリスク回避が最優先になりがちですが,「利用者の能力や可能性を信じて任せる」ことも大切なことだと思います.だからこそ細やかな評価が必要であり,確かな技術で支援をすることが求められている,と改めて考えた一泊旅行でした.
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今年も一泊旅行の候補地選びがはじまりました.行き先は利用者さんで話合いをしてもらっています.
現在の候補地は…
- 屋外キャンプ(炊事・キャンプファイヤー・花火・テント張りなど)
- 栃木県(日光江戸村・千本松牧場)
- 茨城県(大洗水族館など)
- 長野県(松本城・チロルの森・上高地など)
- 千葉県(マザー牧場・鴨川シーワールド)
です.
どこになるでしょうか? みなさんも一緒に予測してコメントにお書き下さい.正解は決まり次第ご報告したいと思います.
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旅行当日,大雨洪水警報発令中.私は大渋滞に巻き込まれ遅刻しました.とても気まずい状況に….でも私の到着に利用者は気付かず,ボランティアさんと楽しそうにしています.和やかで良い雰囲気!初対面の人とも,積極的に交流することができていました.
今回は普段来ていただいているボランティアさんのほかに,高次脳の余暇支援をしていた方と,横浜市内の病院で働いているOTの方に協力していただきました.旅行など普段と異なる状況では,利用者の行動で予測のつかない部分が多分にあり,職員だけでは対応が難しいので,ボランティアさんが不可欠です.しかも今回は,高次脳機能障害の特性を理解している人を確保できたので,最大の安心を得ての出発ができました.
旅行の行き先については,5月から利用者が話合いを進めていました.静岡・山梨・千葉・長野プランの4つが候補として挙がっていましたが,食べ物の魅力から静岡に決定したようです.
初日はバナナワニ園やシャボテン公園で動物を見て喜び,次の日は茶摘みやビールのビン詰め体験でぐったり(茶摘みチームは暑さで,ビールチームは酔いで…)して帰ってきました.
今回の旅行では,復職が決まった利用者からあいさつをしてもらう場面がありました.意識障害が回復し「これからどうなるんだろう?」という不安でいっぱいだった時期にすてっぷななで仲間と出会い,心の支えになったこと.支援者との関わりで,復職の可能性を見出し,そこまでの道のりが具体的にイメージできて心強かったことなど,自分の言葉で,話してくれました.これから社会への第一歩を踏み出す仲間たちに,とても力強いメッセージを残してくれました.途中,感極まって涙も.私も一緒にもらい泣きをしてしまいました.彼女の話を聞き,すてっぷななを立ち上げて良かったな,と改めて感じた時間でした.
たくさん笑って,たくさん泣いて,たくさん食べた2日間でした.
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クラブハウスすてっぷななは,2004年4月に首都圏初の高次脳機能障害者に特化した地域作業所として開設し,2010年4月からはNPO法人として地域活動支援センターと自立生活アシスタント事業の2事業を始めました.
地域活動支援センターの定員は15名.犬用クッキーを作ったり,宅急便の取次をしています.
福祉的就労としての活動が目的ではなく,社会性や対人面,生活の中で代償手段を使えるようになる,など病院から地域社会へ戻る際に必要と思われる様々なことにアプローチをしています.病院の中では「やってもらう」ことに慣れてしまっている人たちも,ここでは「自分から周囲に働きかける」ことをしなければいけません.
レクリエーションの行き先なども本人たち同士で話し合って決めるのですが,お互いが自己主張もしつつ,他人の発言を尊重することも大切なポイントです.昨年は人の意見を聞かずに(もしかしたら聞けずに??)話合いを進め,結局は雪の降っている栃木の牧場へ行くことになってしまいました.話合いの時点で「冬の栃木は寒くて凍るよ」と発言していた利用者がいたのにな….
路面も凍結し,結局はアルパカも見れず,インパクトのある旅行でしたが,記憶障害の方々はそんなこともすっかり忘れていました.今年はどこに行くことになるのでしょうか?
自立生活アシスタント事業は,横浜市単独事業なので初めて聞く方も多いと思います.私も転職してから知りました.今までは知的・精神障害には実施していたのですが,2010年度より発達障害・高次脳機能障害にも事業が拡大しました.嬉しい!
単身者や障害者世帯などが,地域で自立した生活が送れるよう,アドバイスやちょっとした支援を行っています.実際の生活場面で,障害像の評価と環境調整,本人に使いやすいツールの工夫などの支援をしています.この事業については,まだ本格化していないので,どこかの機会に報告できればな,と思います.
高次脳機能障害はある日突然,何の断りもなくやってきます.症状も見えにくく,何がなんだかわからない.でも,当事者は近い将来,地域に戻って生活しなければなりません.そんなときに,OTがその先の生活をイメージすることができたら…みんながハッピーになれる支援が実現するかもしれませんね.
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