Category: 作業療法士の起業-喜怒哀楽
暑い日が続いていますね.今年の夏は,当施設でも節電対応として室温設定を28℃にしています.でも,前面ガラス張りの建物なので,すぐに室温が上昇してしまいます.
なので,今流行りのグリーンカーテンに挑戦することにしました.種をまいて待つこと5日,見慣れない新芽が出てきました.種は「アサガオ」のはずなのに,豆類のような芽….
とりあえず新芽はみんなでプランターに植え替え,外に出しました.すると少し色が濃くなり,あさがおらしい風貌にヽ(^◇^*)/ 通りがかりの人にも「アサガオ植えたんですね」と声をかけられ,やっぱりアサガオなんだ…と確認がとれました.その方も私たちと同じ時期にアサガオを植えたそうで,「どちらが先に花が咲くか楽しみね」と話をしました.
もしかしたらこのアサガオには,不思議な力があるのかもしれません.水やりなどの手入れをしていると,いろいろな人が声をかけてくれます.普段は知らない人と話す機会はないけれど,小さな新芽がたくさんのコミュニケーションを誘導してくれます.グリーンカーテンも楽しみだけど,それを通じての出会いを大切にしたいな,と思っています.
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旅行当日,大雨洪水警報発令中.私は大渋滞に巻き込まれ遅刻しました.とても気まずい状況に….でも私の到着に利用者は気付かず,ボランティアさんと楽しそうにしています.和やかで良い雰囲気!初対面の人とも,積極的に交流することができていました.
今回は普段来ていただいているボランティアさんのほかに,高次脳の余暇支援をしていた方と,横浜市内の病院で働いているOTの方に協力していただきました.旅行など普段と異なる状況では,利用者の行動で予測のつかない部分が多分にあり,職員だけでは対応が難しいので,ボランティアさんが不可欠です.しかも今回は,高次脳機能障害の特性を理解している人を確保できたので,最大の安心を得ての出発ができました.
旅行の行き先については,5月から利用者が話合いを進めていました.静岡・山梨・千葉・長野プランの4つが候補として挙がっていましたが,食べ物の魅力から静岡に決定したようです.
初日はバナナワニ園やシャボテン公園で動物を見て喜び,次の日は茶摘みやビールのビン詰め体験でぐったり(茶摘みチームは暑さで,ビールチームは酔いで…)して帰ってきました.
今回の旅行では,復職が決まった利用者からあいさつをしてもらう場面がありました.意識障害が回復し「これからどうなるんだろう?」という不安でいっぱいだった時期にすてっぷななで仲間と出会い,心の支えになったこと.支援者との関わりで,復職の可能性を見出し,そこまでの道のりが具体的にイメージできて心強かったことなど,自分の言葉で,話してくれました.これから社会への第一歩を踏み出す仲間たちに,とても力強いメッセージを残してくれました.途中,感極まって涙も.私も一緒にもらい泣きをしてしまいました.彼女の話を聞き,すてっぷななを立ち上げて良かったな,と改めて感じた時間でした.
たくさん笑って,たくさん泣いて,たくさん食べた2日間でした.
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クラブハウスすてっぷななは,2004年4月に首都圏初の高次脳機能障害者に特化した地域作業所として開設し,2010年4月からはNPO法人として地域活動支援センターと自立生活アシスタント事業の2事業を始めました.
地域活動支援センターの定員は15名.犬用クッキーを作ったり,宅急便の取次をしています.
福祉的就労としての活動が目的ではなく,社会性や対人面,生活の中で代償手段を使えるようになる,など病院から地域社会へ戻る際に必要と思われる様々なことにアプローチをしています.病院の中では「やってもらう」ことに慣れてしまっている人たちも,ここでは「自分から周囲に働きかける」ことをしなければいけません.
レクリエーションの行き先なども本人たち同士で話し合って決めるのですが,お互いが自己主張もしつつ,他人の発言を尊重することも大切なポイントです.昨年は人の意見を聞かずに(もしかしたら聞けずに??)話合いを進め,結局は雪の降っている栃木の牧場へ行くことになってしまいました.話合いの時点で「冬の栃木は寒くて凍るよ」と発言していた利用者がいたのにな….
路面も凍結し,結局はアルパカも見れず,インパクトのある旅行でしたが,記憶障害の方々はそんなこともすっかり忘れていました.今年はどこに行くことになるのでしょうか?
自立生活アシスタント事業は,横浜市単独事業なので初めて聞く方も多いと思います.私も転職してから知りました.今までは知的・精神障害には実施していたのですが,2010年度より発達障害・高次脳機能障害にも事業が拡大しました.嬉しい!
単身者や障害者世帯などが,地域で自立した生活が送れるよう,アドバイスやちょっとした支援を行っています.実際の生活場面で,障害像の評価と環境調整,本人に使いやすいツールの工夫などの支援をしています.この事業については,まだ本格化していないので,どこかの機会に報告できればな,と思います.
高次脳機能障害はある日突然,何の断りもなくやってきます.症状も見えにくく,何がなんだかわからない.でも,当事者は近い将来,地域に戻って生活しなければなりません.そんなときに,OTがその先の生活をイメージすることができたら…みんながハッピーになれる支援が実現するかもしれませんね.
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2010年7月3日,すてっぷなな7回目の開所記念日でした.年度当初の計画では7月7日に7周年記念のイベントを!と,事業検討会議で提案していたのですが,式典として中途半端な時期,と言われ却下でした….
でも,私たちにとって,この日はとても大切な出発地点.毎年欠かさず当時の新聞記事など資料を見ることにしています.多くの人に望まれ,応援されながら立ち上げた施設.開所式の新聞記事を見ると,そこには本人・家族,そして社会が求めている「高次脳機能障害への理解と支援」について書かれています.
あれから7年,彼らを取り巻く環境は大きく変化しました(詳細については次回以降にお伝えしますね).
すてっぷななは「何のために」「誰のために」どんな活動をしなければならないのか,改めて考えた一日でした.
普段は忙しさにまぎれ,場当たり的なケース対応をしてしまったり,経営優先で利用調整をしてしまったり…,開設当初の純粋な気持ちはどこかへ行ってしまっていることに気づきました.
今いる利用者と,応援してくれているすべての人に「この施設があって良かった!」と感じていただけるような場所を,日々作り上げていきたいと思っています.めげたり,怠けていたら,お声かけをお願いします(^O^)
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