以前,「一泊旅行はどこに行くでしょうか?」と投げかけたままになっていましたので,ここでは旅行の様子をお伝えしたいと思います.
利用者同士で話合いを重ね,今年の旅行は群馬の水上で「キャンプファイヤーをしながら花火を楽しむ」ことと,数年前から案として挙がっていた「乳搾り体験」に決まりました.
とは言っても10月のキャンプ場です.楽しみにしていたキャンプファイヤーは非常に寒く,火が燃え上がる前にみんなは早々に部屋へ戻っていってしまいました…今年も天候に負けた感はありますが,事前にみんなで予算を決めて花火を購入しに出かけたり,ランタンや懐中電灯を準備するなど,それぞれの楽しみはありました.
乳搾りは,グリーン牧場へ行きました.ここは整地された場所だけではなく,芝生の上を歩いたりする場所もあるのですが,利用者のなかには車椅子を使用している方もいます.このとき,利用者同士で車椅子を押すのを手伝ったりと,私たちが期待している以上のナチュラルサポートがなされていました.職員が先回りして手を出してしまうと,このような場面を見ることはできなかったな,と感じました.
今回の旅行で,その気づきを促してくれたのはバスの乗務員さんでした.昨年も同じ方が担当してくれていたのですが,「この施設の職員って何にもしないで,みんなにお任せですね」と言われたのです.一瞬なにを言われているのかわからなかったのですが,よくよく聞いてみると「他の施設では職員が親切になんでもやってあげている」ということだったのです.
支援者はリスク回避が最優先になりがちですが,「利用者の能力や可能性を信じて任せる」ことも大切なことだと思います.だからこそ細やかな評価が必要であり,確かな技術で支援をすることが求められている,と改めて考えた一泊旅行でした.