どこに行くの…?!

 前回の「自転車」で少し書いたのですが,高次脳機能障害の方の無断外出ってわりと頻回に起こります.病院でも患者さんが離棟や離院をしてドキっとした経験があるのではないでしょうか?

 無断外出のときの対応では,「本人がどうしてその行動をしたのか」という気持ちを確認することと,場合によっては行動を修正してもらうために「気分や目先を変えること」が大切になってきます.

 Aさんは「会社に行く」と言って出て行こうとするので,私も同行しました.途中の公園で私が「ブランコに乗っても良いですか?」と聞くと「ちょっとなら」との返答.結局20分くらい付き合ってもらいました.
 すると「飽きたから帰りましょう」と本人が提案してくれたのです.ラッキー,言い争いではなく,本人の意思に基づいて無事帰ることができました.

 出て行こうとしている人や出歩いている最中に本人を見つけた場合,「ダメです」や「帰りましょう」は通用しません.押し問答になり,出かける目的に「固執」してしまいます.こんなときは,気分や目先を変えてしまうのも,支援方法のひとつですね.

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