141号:社団法人 認知症の人と家族の会神奈川支部

 地域リハビリテーション部(以下、地域リハ部)では、より地域に基づいた活動を目指していきたいと考えており、その一つとして神奈川県内の障害者団体との交流・連携を推進するための事業を展開していきます。今年度は様々な障害者団体の活動を把握するため、それぞれの会合に参加し、その状況を県士会員にお伝えしています。
 今回は、社団法人認知症の人と家族の会神奈川支部の「若年期認知症家族・本人のつどい」に参加しました。

【社団法人 認知症の人と家族の会神奈川支部】
日時:平成21年9月27日(日)・11月22日(日) 11:00~15:00 
場所:横浜市旭区 地域生活支援拠点「ほっとぽっと」 

<(社)認知症の人と家族の会神奈川支部の紹介>
 社団法人認知症の人と家族の会(旧呆け老人をかかえる家族の会)は、1980年に発足した認知症に関わる当事者を中心とした全国的な団体であり、43都道府県に支部をもっています。認知症の本人、介護家族、認知症の介護に携わる専門職、認知症に関わる医療職や研究者、認知症に関心のある人、ボランティアなどが会員となり活動をしています。
 今回取材した神奈川支部の活動は、懇談会(家族懇親会、若年期のつどい、地域のつどい)、電話相談、会報の発行、介護家族のリフレッシュ旅行などを中心に展開されています。また今年度からの新たな取り組みとして、一部の地域(横浜市旭区)で、若年期認知症本人を対象にした「木曜会」というグループ活動を週1回行っています。

<「若年期認知症家族・本人のつどい」への参加>
 2ヶ月に一度に定期開催されている「若年性認知症家族・本人のつどい」に9月と11月の2回にわたり参加しました。
 会には、ご本人・ご家族・世話人の方々・代表の石心会川崎幸クリニック院長の杉山孝博先生はじめ医療・福祉関係者など総勢40名を上回る方々が参加していました。ご本人とご家族が一緒に参加する方々や、ご家族のみ参加する方、そのなかにはお子さんの姿もありました。
 活動は、ご本人とご家族に分かれて行われていました。家族懇親会では、一人一人の参加者が、介護生活の様子や悩み等を話され、周りの参加者からは、介護上のアドバイスや制度の有効利用について等、経験に基づいた具体的なアドバイスが交わされました。杉山医師からは、医学的な情報提供や、認知症者の行動が持つ意味や関わり方の工夫について非常に参考となるわかりやすい説明がありました。午前・午後を通して約3時間にわたる、実に活発で有意義な意見交換の時間でした。
 本人の部では、午前の活動として、近くのスーパーマーケットまで参加者の昼食の買い出しに行きました。世話人と一緒に必要な数を確認しながら、皆さんが好みのお弁当・お菓子を選びました。午後の活動では、9月は散歩とカラオケ、11月は室内レクリエーションを行いました。レクリエーション内容は、自己紹介と出身地紹介、歌体操、新聞紙を使った対戦式ゲーム、食べ物しりとり等です。普段は外出活動が多いため、天気の悪い日に取り組める活動を取り入れたいという世話人からの提案により、当日参加した部員が中心となってレクリエーションを行いました。

<おわりに>
 参加したご家族や世話人の方々からは「作業療法士が地域でどのような活動しているのかわからない」「認知症に作業療法士は関わっているのか?」といった声が聞かれました。また同時に、「認知症本人の活動について、作業療法士のアドバイスがあるとよい」とも話して頂きました。認知症者とそのご家族の生活支援に関わる職種として、作業療法士が地域により多く活動を広げていく必要性を改めて感じる機会となりました。

社団法人認知症の人と家族の会神奈川支部の活動を、活動を必要とされる方に是非お知らせください。
社団法人認知症の人と家族の会HP(http://www.alzheimer.or.jp/

(文責:地域リハ部 笹森 河村)

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