脳・神経解剖学シリーズ② とお知らせ

こんにちは、運転支援班です!

 

今回は前回掲載記事からの続きで、脳の仕組みについてを少し話していきたいと思います。

・・しかし脳の仕組みに関してもなかなか簡単には示すことができないため、

今回は大まかではありますが「大脳」の役割についてお伝えしたいと思います。

 

 

早速ですが、人間の大脳は大きく4つの領域

①前頭葉 ②後頭葉 ③側頭葉 ④頭頂葉 に分かれます。

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①前頭葉

役割としては、言語機能や理性・思考・意欲(やる気)などの精神活動に大きく働いています。

そのため脳血管障害にて前頭葉に問題が生じると、

意欲の低下・脱抑制(行動の抑制困難)・判断力の低下・性格変化などの症状が出現することがあります。

 

②後頭葉

役割としては視覚に関わる領域となっており、眼球の網膜からの情報を処理をしています。

そのため、後頭葉に障害が起きると、

半盲(視野の半分が見えない)・失認(見えてる情報から物体や人などの判別ができない)などの症状が出現することがあります。

 

③側頭葉

役割としては聴覚や言語に関わる領域となっており、耳からの聴覚情報を受け取り音や言語として感じ取る場所となります。

そのため、側頭葉に障害が起きると失語症(言語理解困難)・聴覚性失認(耳でとらえた音が何の音なのかがわからない)などの症状が出現することがあります。

 

④頭頂葉

役割としては身体各部分からの体性感覚と他の感覚(視覚・聴覚など)を統合し認知する領域となります。

例えば狭い道で車を運転していて、対向車が来ましたという場面では車を運転している(ハンドル・アクセルの操作という体性感覚)・聴覚情報(対向車のエンジン音が聞こえる)・視覚情報(対向車が見える)などの状況を瞬時に把握し、次の動作(対向車をやり過ごすための動作)を行う所です。

この部位に障害が起こると、半側空間無視(視覚的には見えているのに認知できない)・身体失認(体烏の身体部位が分からない)・失行(物品をみてその物品を操作できない)などの症状が出現することがあります。

 

 

以上が簡単ですが、脳の役割となっています。

大脳だけ見ても部位によってさまざまな働きがあり、それらが複雑につながりあって私たちは様々な判断をしています。

様々な判断を瞬時に行ない動作につなげる必要がある自動車運転においては、

病気によって目には見えなくてもこれらのどの部分が上手く働かなくなっても事故に繋がってしまう危険性があります。

 

病気をしたあとに自動車運転を再開しようとされている方がいた場合は、

まずは免許センターや警察署、かかりつけの医療機関等へご相談いただくよう促しをお願い致します。

 

次回は認知症について掲載したいと思います。

お楽しみに!!

 

(引用・参考文献「病気がみえるvol,7脳・神経 第一版」編集医学情報科学研究所)

※今回は障害された場合に「症状が出現することがある」と表現させていただきましたが、病気の程度や微妙な部位の違いで症状が変わることがあります。

 

 

お知らせですが、当ブログの前回の記事でお伝えさせて頂きましたが、

神奈川県作業療法士会では自動車運転支援の実施状況把握のために医療機関向けにアンケートを実施しています。

今回のアンケートは自動車運転を実施していない医療機関にもお答えいただきたいものになっています。

たくさんの回答を頂きたいので、ご協力をお願い致します。

 

アンケートへはこちらからもアクセスできます!

 

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