そして次は近くに並んでいる筋や腱を区別してみましょう.
1は短橈側種根伸筋(腱),2は総指伸筋(腱)です.
リスター結節やや遠位の位置(手関節上,くぼんでいます)に,左手母指のIP関節をあて,そのまま手関節中央部に向けて親指を置いてください.
指を屈曲位で力を抜いたまま手関節を伸展させます.すると,左手母指のIP関節あたりで硬いものが触れると思います.これが1短橈側手根伸筋の腱です.
続いて,指を伸展させてみてください.すると,今度は左手母指の指腹部で硬く幅広いものが触れると思います.これが2総指伸筋の腱です.この部位でちょうど枝分かれをしているので,指を一本一本動かすとさらに違いがわかると思います.
このように,並んでいて区別が難しい筋や腱の時には,走行を理解しておくことも大切ですが,ターゲットとする以外の筋の活動は抑制させることが重要となります.