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154号:第7回 ここで働いてます!

執筆者近景

国立外傷センター


 最初に来た時は、不安を覚えすごく古く見えた建物も設備も、3カ月を過ぎ慣れてきたのか、アットホームな「私の病院」という感覚になっている。

 私の働く外傷センターは、国の外傷関係の治療の殆どを担っている外傷関係の中では一番大きな病院だ。リハビリ科もその中にある。また、研究機能、学生の研修機能も併せ持つ。

 実はモンゴルでは、3年前に、看護学校に付属した理学療法士科が開設され、ちょうど去年(2011年)の9月に初の卒業生が誕生した。とはいえ、人数は少ないし、さらに卒業生の大半が国立第一病院というところで働いており、リハビリ専門職がいないところが殆どだ。私の病院にもモンゴル人のPTはいない。ましてやOTとなると…。ただし、モンゴルにはリハビリという概念は入っていて、リハビリ専門医もいる。彼らは、OTというものを知っており、その役割や重要性を認めてくれている。そういう意味では、活動しやすい国ではある。   

 ただ、リハビリの概念が狭く、OTの捉え方も障害の捉え方も狭くなっている。また、現在、リハビリスタッフとしてリハビリを担っているのは看護師であり、彼らの知識はまちまちだ。

 このような環境の中で、今、私が何をしているか。まずは、モンゴルに慣れるために同じリハビリ室で働く。なんでもする。そして、モンゴル語で話し、モンゴル料理を食べる。

 モンゴルでは、各科の医師から紹介された患者をリハビリ医が見て処方を出すというしくみになっている。私の活動先は病院なので、患者さんは待ってくれない。次々と来る。働き始めてから1週間も経たない内にリハビリ処方が出たので、身振り、手振り、写真や例を多用しながらどうにか治療をやった。それ以来、院内リハに明け暮れる日々が続いている。最初は、モンゴル医療の理解とマンパワーから始めようと思う。

 モンゴル人は、最初からフレンドリーに接してくる人は少なく、あいさつもしない人も多い。最初は、居場所が無いように感じた時期もあった。私が任期を予定より3カ月遅らせたこともあり、3カ月前に来たPTはすごく眩しく見えた。それでも、私たちの仕事ってやっぱりいいなと感じたのは自分の技術を見せれるということ。患者さんがよくなっていくとスタッフの見る目が変わる。これからまだまだ先は長い。どんなことが起こるのか楽しみだ。モンゴル語も日々上達し、どうにか患者さんに重要なことくらいは伝えられるようになってきた。今日も、一歩一歩進みます。

おまけ:モンゴル語のあいさつ


バヤルラッラー
「ありがとう」の意。しかし、日本人には発音が非常に難しく、私も未だに正確には発音できない。モンゴルでの語学訓練の際、同期の協力隊員と共に何度も発音練習させられた思い出の一言でもある。



青年海外協力隊 平成23年度1次隊 川島(旧姓 堤)由貴子

 大学卒業後一旦就職するも、退職。その後、作業療法士資格を取得し、都内の病院へ3年間勤務する。平成23年9月より協力隊員としてモンゴルに赴任。現在、首都ウランバートルの国立外傷病院にてPT隊員と共に活動中。



青年海外協力隊とは

 JICAボランティア事業は日本政府のODA予算により、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する事業です。開発途上国からの要請に基づき、それに見合った技術・知識・経験を持ち、「開発途上国の人々のために生かしたい」と望む方を募集し、選考、訓練を経て派遣します。その主な目的は、(1)開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与、(2)友好親善・相互理解の深化、(3)ボランティア経験の社会還元です。(JICAホームページより)

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