146号:てんかんの基礎知識「てんかんの定義と発病率」

団体名:日本てんかん協会神奈川県支部
 日本てんかん協会神奈川県支部(以下「てんかん協会」)との交流も昨年度から開始しました。1回/月おこなわれる勉強会に参加しながら、互いの組織の情報交換をおこない理解を深めてまいりました。
今年度はさらに理解を深めるために、てんかん協会の会員にご協力いただき、日常生活の様子を県士会ニュースに掲載させていただく依頼をしております。
 次号以降に掲載予定のため、今号ではてんかんの基礎知識を復習したいと思います。

基礎知識1「てんかんの定義と発病率」
 従来てんかんは「てんかん発作を繰り返し起こす大脳の慢性疾患」と定義されてきましたが、「少なくとも1回のてんかん発作があり、発作を起こしやすくする永続的な脳の機能や状態の変化があること」と改められました。また、「発作が起こるような脳の状態をさすだけではなく、発作がもたらす神経学的、認知、心理、社会的な影響も特徴」としています。
 てんかんは、こどもから高齢者まで、どの年代の人にもみられるありふれた病気です。今までは15歳未満の発病に注目されてきましたが、65歳以上の高齢者においても発病率・有病率が高くなっていることが注目されるべき点です。
 アメリカ(ミネソタ)の調査では、思春期以前の発病は全体の約半分でしたが、発病率でみると70歳以上がもっとも高いという結果が出ています。またイギリスでは全体の4分の1の患者さんが60歳以上の発病でした。
 すでに治ってしまい服薬もしていない人を含めた人の割合を表す累積発病率は、一般的に0歳~75歳までに3%に達するといわれています。つまり、てんかんは100人に3人が経験する病気だということです。

文責:地域リハビリテーション部 木村

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wpm/cbr/post/110