主体性を引き出すリハビリテーション 教科書をぬりかえた障害の人々

「主体性を引き出すリハビリテーション 教科書をぬりかえた障害の人々」
長谷川 幹著 日本医事新報社 3990円
http://www.jmedj.co.jp/book/detail.php?book_id=333

この本は3部構成になっています。
最初に、解説編として病気の症状などについて概説し
次に、事例編として21名の方へのインタビューが掲載され
最後に、インタビューを終えてのあとがきが書かれています。

圧巻なのがインタビューです。
年単位で着実に「できる」ことを増やしていった21名の方々。
現在までの経過と理学療法実施経過、発症時のCTなども添えられています。また、著者が非常に率直に問いかけられ、またご本人ご家族も本当に率直に答えられています。
当初こんなに良くならないと告げたけれど予想外に良くなられたことに対して著者はその方に謝った…と書かれている箇所もありました。
その他にも、脳損傷の人に対して発症から3年以降に再出発の時期がくることを想定した地域での援助体制の構築や、「維持期」ではなくて「展開期」という言葉の提案など著者ならではの至言が満載です。

私たち専門家はもちろんですが、初めて障がいを抱え、混乱や不安の中にいる当事者やご家族も、この本から得られたり、支えられることは多いのではないかと思います。
まずは、ぜひご一読を!

 

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