会長挨拶

一般社団法人神奈川県作業療法士会

会長 神保武則

神奈川県作業療法士会設立40周年、誠におめでとうございます。この設立に携わった皆々様に心より感謝と敬意を表したいと思います。本当にありがとうございます。

作業療法を愛する神奈川県の作業療法士(OT)たちにより産声を上げた神奈川県作業療法士会は、この40年間で約2500人以上となる会員数を誇る規模に大成長致しました。これは、全国的にも充実した組織を意味し、いざという時の即戦力や促進力に繋がる機動力となります。これも先人たちの苦労や努力があったからこそであり、これからもこの恩恵をしっかりと受け継ぎ、県内のOTたちの一人ひとりの希望を後押しできるように、更なる強靭な組織として成長していきたいと節に感じるところです。

会員の皆さまもOTになってからの沢山の想い出に触れる機会が幾度となくあると思いますが、今回の40年という節目に是非とも過去に触れ、神奈川県にいるOTたちが築き上げた歴史を顧みて頂ければ幸いです。

私自身の話で大変恐縮ですが、自らの目を閉じ、この節目に立ってみました。

初々しいケーシー姿の若きあの頃から現在の(色々な意味で脂がのった)ケーシー姿に至るまで、実に様々な光景が蘇ります。怪我や病気で機能や生活を失った人たちと向き合ってきた一人のOTとして、暇さえあれば、彼らのADLが少しでも自立できるようにスプリントや自助具の材料を探し回ったり、図案やイメージを試作したり、はたまた作業療法の哲学書をむさぼり読んでみたり、おっちょこちょいだった私を家族のように親しみを持って微笑む患者さんたちから、「こういうリハビリが楽しいな」と、さりげなく告白して下さったり、常に笑いが絶えない作業療法場面が“あちらこちら”で散見できたことなど、患者さんと一緒に楽しく過ごした記憶が沢山に蘇ります。他にも進行性の難病をもつ緩和ケア対象の患者さんたちと、ギターを弾きながら昔のうたをよく歌いました。「がんの痛みや苦しみが忘れられたよ。先生、いつもありがとう」と喜ばれました。今月いっぱい持つかどうか、という余命宣告があった彼等との付き合いは、深い思慮に明け暮れた日々でもありました。今思えば、自分の「作業療法」という大樹の根幹となった一つの経験であったと思います。後に御家族が立ち寄って、その時一緒に作ったフォトフレームや、時計、ランプシェードなど、生前の感謝と思い出話を聞かせて下さいました。心から嬉しくて、つい涙が出てしまったことを思い出します。本当に数えきれないほど多くの患者さんたちとの出会いは、OTとして唯一無二の学びの連続であったと思います。そして、今でも私の宝となっています。

“何が最良なのか それは本当に最良なのか 常に深く考えること”

を指南して下さったのも、小田原の風祭にあった国立療養所箱根病院付属リハビリテーション学院でした。今では懐かしい思い出です。

さて、この神奈川県作業療法士会が発足してからの40年間の軌跡は、本ホームページからも探ることができるでしょう。また、40周年記念誌も発行致します。この記念誌は、実に、この神奈川県作業療法士会が素晴らしい歴史の数々を支えていることを改めて知ることができます。躍動の40年間分のOTアルバムです。しばしの懐かしさも併せて、是非とも皆さまで1ページずつ捲りながらご覧になって頂ければ幸いです。歴史を刻んだ方々の写真やコメントなども盛り沢山に用意されております。

また、この40周年記念を機に一般社団法人神奈川県作業療法士会のロゴマークも完成致しました。複数名の会員の方々から御応募いただき、最終的に決定された永久保存版のロゴマークです。このロゴを見れば神奈川県作業療法士会というイメージが沸き立つデザインです。是非とも今後の県士会活動において、随所にご活用いただきたく思います。

最後に、未来のOTたちへこの歴史を繋げられるよう、この先の50周年、さらには60周年とお祝いできるよう、会員の皆様とともに力を合わせていきたいと思います。何卒宜しくお願い申し上げます。

これからの一般社団法人神奈川県作業療法士会の更なる発展と会員の皆さまの健康を祈念致しまして、挨拶とさせていただきます。

設立40周年、誠におめでとうございます。

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