障害を持った方が就労を検討するにもどんな職種が良いのか、どれくらいの能力があるのか等、援助するOTの立場として悩んだことはありませんか。そんな悩みに応えて頂ける県の施設があることをご存知でしょうか。先日、横浜にある神奈川県障害者就労相談センターを訪れました。ここでは就労を希望する障害のある方(障害の種類、障害者手帳の有無は問いません)に面接や職業能力評価を行って状況を把握し、求職活動から職場定着まで一貫した就労支援を行っています。中でも職業能力評価では仕事の実際場面を想定したワークサンプルが38種類もあります。
ベルトコンベアもあります
ワークサンプルは様々な職種に対応されています。パソコン作業はもちろん、見本に合わせた箱作り、組み立て、シール貼りから商品のピッキング活動、そしてダンボールの組み立てや野菜の袋詰め、牛乳配達といった実際に仕事内容を想定した評価もあります。取材当日は5名の方がベルトコンベアを使用して流れ作業を行い、作業の早さや正確性、協調性などを評価しておりました。
就労後の支援も行っています
職業能力評価をする中で体験される方自身が活動の向き、不向きを理解したり、作業が楽しいと考えるきっかけになることもあるそうです。このような評価を踏まえて支援計画を立案し、事業所内での実習や就労前支援を行って一般就労等に結び付けています。平成20年度では相談があったうち384人に対して個別就労支援を行い、111人の方が一般就労に結びついた実績があります。就労後も職場定着支援として事業主に助言等サポートを行っており、フォロー体勢も整っています。実際に仕事で困っていることをSSTで実施するプログラムは人気があるとのことです。
取材で対応して頂いた就労支援課の永田さんは、能力評価をするにあたり「継続して職場に通えるか。朝から夕方まで働けるかといったことは各施設のスタッフの情報が重要であり、情報の共有ができるといいですね」と話されました。やはり就労支援をする上で連携が欠かせないと改めて実感した次第です。是非ともこのような施設を利用してみてはいかがでしょうか。相談、評価にかかる費用は無料です。詳しくはホームページをご覧下さい。
取材:千葉
神奈川県障害者就労相談センター
横浜市中区寿町1-4 かながわ労働プラザ5F
(JR根岸線石川町駅北口より徒歩3分)
電話:045-633-6110(代表)
URL:http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f3767/