秋風を感じられるようになった中、第36回 国際福祉機器展に行ってきました。
15カ国あまり、約500社が出展。会期中は延べ10万人以上訪れたようで、会場は熱気と興奮に包まれていました。
今年はやはり「インフルエンザ」や「ノロウイルス」等の感染予防対策商品の出品が目立ちました。また、各種自動車メーカーも福祉車両にかなり力を入れているようで、ブースは多くの人で賑わっていました。その他、各種車椅子やベッドといった福祉機器も年々小型化、軽量化、低床化され、更にロボット技術が活用された福祉機器の研究開発も進んでいるようで、SF世界を垣間見られるブースもありました。そんな20,000点を越す膨大な品の中から今回は独断と偏見で、個人的に気になった商品を取り上げたいと思います。
らくらくスワロー:有限会社 ともみ工房 島根県
URL:http://www.tomomi-k.com/
VFチャアー(嚥下造影検査用椅子)を制作している工房。誤嚥リスクのある方の摂食時に枕やクッションを重ねてみたり、タオルを挟んでみたりとその都度その都度頭の位置を整えるのが難しいと感じたことありませんか?
この商品は嚥下検査時の頭頸部の角度や位置をそのままベッドや車椅子上でも再現することを目的に作られたもの。ベース部をベルトでベッド等に固定し、枕部はマジックテープで取り付ける。優れた点は、一方方向だけではなく、上下左右の傾き具合まで微調整できること。その他この工房では電動車いすの足入力タイプの制御装置も開発中だそうです。
輪助:越後工業株式会社 新潟県
URL:http://www.sukesan.org
自動車部品を主力製造・販売している会社。移乗時、アームサポートは跳ね上げても、例えば6輪車椅子のように車軸がやや前方にある場合は「車輪が邪魔する・・・」、そんな経験ありませんか?
なんとこの車輪、上部1/3が外せて跳ね上げられるのです。しかもワンタッチで跳ね上げやすい位置に車輪が回転するという優れた機能つき。よりスムーズに移乗先へと移ることを可能にしてくれます。今後、新潟県内でモニターリングをして、来年頃販売の予定だそうです。
来年のHCRは2010年9月29日~10月1日開催予定です。皆さんも皆さんの目で「新発見・再発見」した商品を多くの人達と情報共有していってください。
取材:菊地