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151号:第4回 OTを知ってもらおう!

執筆者近景 平成23年8月現在、私は大阪にあるJICA大阪という研修施設で、青年海外協力隊の派遣前訓練を受けている。
 派遣前訓練とは、任国へ行く直前にJICAボランティアに義務づけられている65日間の訓練であり、第一の目的は派遣国の言語を覚えるということ。その他にも、派遣される立場としてのルールの理解、任国の理解や任地での活動に役立つ実践的な練習など、様々な訓練要素を含んでいる。
 毎朝7時のラジオ体操から始まり、夕方までびっちり組まれている語学と国際協力に関わる講座をこなし、さらに宿題やテストなどもある。

 訓練所では様々な職種や技術を持った人が集まって共同生活をしている。小学校教諭、PCインストラクター、服飾デザインといった多様な職種の約120名のボランティアが参加している。
 知り合ったばかりの頃は、「あなたの職種は何?」という話になるのだが、そう聞かれて作業療法士だということを伝えても、「ふーん…。それで、作業療法士って何をするの?」という返答も少なくない。「作業って、土木?」という質問もある始末。作業療法について口頭で説明はするものの、なかなかピンとこない人も多いようだった。OTは医療・福祉畑以外の人にはまだまだ馴染みが薄いのを実感した。

151号:第4回 OTを知ってもらおう!

OTの協力隊員が集まり、腰痛についての講座企画をしている様子



 そんな中、栄養士とOTの協力隊員が合同で「栄養管理と腰痛への対処」について講座を開催することになった。訓練中には、協力隊員自らが企画し、講師となって、講座を開催するというプログラムがある。その内の一つを担当することになったのだ。
 今後、任地においてOTに馴染みのない人々に、OTへの理解を深めてもらうためには、自分の体で体験して理解してもらうことも一つの手である。今回のことは、その練習ができる非常によい機会。また、OTのことを他の協力隊員に知ってもらうきっかけにもなる。

 講座はまだ先なので、今回その様子を伝えられないのは残念だが、現在少しずつ準備を進めている。OTのことを、まずは身近な人に、少しでも伝えたい。OTっておもしろい!そして、もうちょっと知りたい!って思ってもらえるような講座にしたいなぁ。



青年海外協力隊 平成23年度1次隊 堤由貴子

 大学卒業後一旦就職するも、退職。その後、作業療法士資格を取得し、都内の病院へ3年間勤務する。平成22年、長年の夢であった青年海外協力隊の試験を受験し、合格。平成23年3月退職し、7月から約2カ月の訓練を経て、9月より協力隊員としてモンゴルに赴任予定。



青年海外協力隊とは

 JICAボランティア事業は日本政府のODA予算により、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する事業です。開発途上国からの要請に基づき、それに見合った技術・知識・経験を持ち、「開発途上国の人々のために生かしたい」と望む方を募集し、選考、訓練を経て派遣します。青年海外協力隊は40年以上という長い歴史を持ち、これまでにのべ3万4000人を超える方々が参加しています。(JICAホームページより)

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151号:ヨコハマ・ヒューマン&テクノランド

 台風も通り過ぎ、連日の猛暑の中休みを思わせる、過ごしすい陽気の7月21日~22日の2日間、今年で10年目を迎えるヨコハマ・ヒューマン&テクノランド(愛称:ヨッテク)が横浜みなとみらい、パシフィコ横浜にて開催されました。「つなぐゾーン」「たのしむゾーン」「くらすゾーン」に分かれ、60を越える企業や団体が出展し、企業プレゼンテーションやデモンストレーション、簡単クッキングクラスなどのミニレクチャーも充実。更に3月11日の東北地方太平洋沖地震を受け、ヨコハマに暮らす障碍児者やその家族が、震災への備えをどうしておけばよいのか、をテーマに「災害に強い福祉のひとづくり・ものづくり」を企画。障碍別役立ち情報掲示板「愛(i)ボード」や軽自動車キャンピングカー、バイオトイレカー、停電時の福祉用具の対応など紹介されていました。

片手で結べるネクタイ

片手で結べるネクタイ

 数多くあるブースの中で、今回取り上げたいのは、「ユニバーサルファッション(以下UD)」についてです。まずは、アソシエCHACOの栗田佐穂子さんにお話を伺ってきました。
 「ユニバーサルファッションと聞くと、まだまだ『介護服』、つまり『介助者にとって被介助者に着せやすい服』といったイメージが強いようです。しかしUDが目指すところは、『障碍者自身が着やすい』という点に留まらず、『誰が着ても着やすい、どんな人でも着られる』という点だと思います。例えばこのネクタイ、当初は片麻痺の方でも簡単に付けられる様工夫しましたが、いまでは忙しい営業マンにも好評で、またそういう方のニーズを反映して、素材も100%シルクからポリエステルなど安価な生地を使い、価格を抑える努力をしました。更に当社では手持ちの服を持ち込んでいただいても、お好きな生地を選んでいただいても構いません。UD服の発展はいかにコストを抑えられるかにあると思います。工場で定型を作り、そこからはオプションで…という形を作り上げたいです。どんな形の洋服でも、工夫次第で着られます。着られない服はありません!!」

 また、UD服ブースにいた女性にもインタビューを試みました。
車いす対応ズボン

車いす対応ズボン

 「UD服についてあまり知識はなかったのですが、去年ヨッテクに来た際広いスペースを服関連で割いていて、目を引きました。その時はあまり必要性を感じてなかったのですが、車椅子生活も3年になり、やはり座っている時に背中が見えてしまうのが気になって・・・。 今年はズボンを買いにヨッテクに来ました。横浜ラポールによく行くので、ジャージ素材でこういうズボンがあるといいなと思いました。去年はスカートもあったんだけど、今年はないのかしら・・・ 」
 更に、ファッションについてどう思われるか、を質問しました。
 「病気になる前は、おしゃれが好きでした。けれど今は諦めモードですね・・・。若い子なんかは選択肢が多いほうがいいと思うけど、今は手持ちの服を着たり、大量生産の服が多いでしょうか。外出するのにも人の手を借りなきゃならないし、車の手配だなんだってやっていると、億劫になりますね。決まった場所以外に出歩く機会も減ったから、『新しい洋服がほしい』っていう気分にもなりません」
 「先日、病気になって初めて買い物に出掛けましたが、今までとの目線の違いにびっくりしました。ちょっと手にとってみたい品物に車椅子の高さからなかなか手が届かないのですね。子供目線なのね。けれど、この座っても背中が見えないタイプのズボンは欲しい!と思いました。裁縫が得意な友人の中には、年取ると市販のズボンでは股上が浅くて、どうしても背中が見えやすくなるからって、自分で背中部分に当て布をしている人もいます。こういう服がもっと手近に手に入ればいいのに・・・ 」

マグネット式ボタン

マグネット式ボタン

 ファッション感覚は千差万別ですが、服のおしゃれ性と機能性の両方が兼ね備わってくることで、UD服は単に「介護服」に留まらず、今後より一層多くの人の心を掴んでゆくように思いました。
 最後に耳寄り情報!飾りボタンとしても使える、後ろがマグネット式になっているボタンなどの便利グッズは、ユザワヤ本店や新宿オカダヤ本店、アソシエCHACOで手に入るようです。みなさんご自身の服にも是非取り付けて、使い勝手を試してみてください。

(文責 菊地)

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