145号:初めての経験

初めての経験 梅雨が明ける頃、長女の楽しみにしていた保育園の夏祭りがありました。昨年は「ママ~あそこへ行ってみようよ」と私の手を引っ張って模擬店のある所へ行っていた長女。今年は「ちょっと行ってくるね」と友達と手を繋いで人ごみの中へといってしまうことも多く、捜すのに一苦労でした(笑)。お気に入りの浴衣を着て友達と踊ったり、とそんな姿を見て親も十分に楽しんだ夏祭りでした。

 夏祭りが終わると、以前から予定されていた長女の両側口蓋扁桃の摘出手術日が迫っていました。24時間親の付き添いが必要なため、夜は主人で日中は私と決めました。当の本人は「あと何回寝たら入院なの」?と遠足気分で入院当日を迎えました。手術当日は、主治医から「麻酔がかかるまでお母さんは手術室にいましょう(まだ小さい為、暴れてしまう可能性もあるとのことで)」と言われました。

 しかし長女は手術台の上でも全く動じることなく、先生の言う通りに待っていた姿に私もびっくりしました。マスクをして麻酔がかかると、自然と目を閉じてしまう長女を見ていたら、痛々しくてとても切なかったです。でも手術も無事に終わりホットしていたのもつかの間、その夜は「ママじゃなきゃ嫌だ~」と出ない声を振り絞って泣き続け、主人と付き添いを一晩交代したりと思いがけないことも多々ありました。

初めての経験 少し座っていられるようになると、看護師の方から「つばめの巣があるけど見に行ってみようか」、「保育園では?・・・」など声かけをたくさんしていただきました。入院から6日目となれば、長女の体調も良くなり本領を発揮!!看護師の方が部屋に来ると「あのね」と話しかけたり、「ママ暇だからお散歩しようよ」と同じ場所を行き来し、私の方がヘトヘトでした(笑)。

 OTという仕事をしてると、患者さん・そのご家族と接する機会が多くなります。今回は逆の立場というか、通常ではあまり経験しない環境下で生活をしました。いろいろな方から内容を練って声をかけてもらえると、正直親子共々うれしいものです。『仕事上の役割』ではあるかもしれませんが、相手の優しさは感じとれるものです。また職員と患者さんは時間の流れ(質)が少し違うことも感じました。長女が退院して自宅療養を経てから私も仕事再開です。目には見えない相手の気持ち、を感じとっていくことができればと思います。

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