ボランティア活動といっても世の中には様々なものがありますが、今回一風変わったギブ&テイクの形をとってボランティア活動をしている「NALC」のNALC東横浜に行ってきました。この取材から介護保険とボランティアとの併用の可能性について垣間見ることができました。
新しいボランティアの形「時間預託制度」
NALCとは全国120ヶ所に拠点を置く会員数2万3千人のボランティア団体。このNALCの特色の1つとして「時間預託制度」があります。これはNALC会員が銀行預金のように通帳を作り、お金ではなくボランティアをした時間を1時間1点として積み立て、自分が助けを必要とする時に積み立てた点数を引き出しボランティアを受けることができる制度です。会員の家族にたいしてもその会員が積み立てた点数から引き出して利用することが可能です。
「元気なうちに他人の力となり、今後の自分に備えたい」
NALC東横浜で現在行われている活動は、同団体の事務所がある老人保健施設内のお手伝いを中心に、病院への送迎、庭の草むしり、植木の手入れ、などさまざまです。NALC東横浜の会員平均年齢は65歳。代表の中島さんは「会員の多くは老老介護になることを気にしている。自分たちが元気なうちに他人の力となり、今後の自分たちの生活に備えておこうという気持ちを持っています」と会員の心境を語ります。さらに会員の方は定年後の楽しみや生きがい、自分の居場所としてNALCの活動に臨みながらポイントを貯めているところだと現在の状況を分析されていました。今後の課題として生活困窮者へのボランティア、障害を持つ方のボランティア活動への参加方法をどうしていくか、また地域包括支援センターとの連携も視野にいれて活動の幅を広げていきたいとの展望を伺うことができました。
介護保険との併用もできるのでは
個人的にはNALCの時間預託制度を利用すれば、遠くに暮らす故郷の両親に使えそうだという率直な感想をもちました。また定年を迎えた方に、培ってきた経験や技術を発揮する場がこういった形で存在することを知って欲しいとも思いました。庭の草むしりや植木の手入れなどは利用者にとって大切な作業ですが、介護保険ではカバーしきれないサービスです。今回の取材で、時間預託制度と介護保健を併用していく新たなサービス利用の可能性を知ることができました。NALCはボランティア活動の他にも、清掃活動や施設慰問などの奉仕活動も定期的に行っています。興味のある方は団体ホームページをご覧ください。 NALCホームページ http://www.nalc.jp/
文責:水野
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