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学会長挨拶

ごあいさつ
「学ぶ場の再構築と,多様性に満ちた新しい学会を目指して」

感染対策の向こうに見えた多様な学会運営
 本学会は新型コロナウイルス感染症対策として現地開催とWEB配信のハイブリッド開催を予定しています.口述演題は,事前に登録された音声付きスライドによるオンデマンド方式での配信を業者へ依頼し,当日の会場の様子は実行委員会がライブ配信や後追い配信を行う予定です.
今後,新型コロナ等による感染拡大により実会場での開催が困難な場合は,WEB上での開催のみとし,県士会会員の学ぶ機会を守って行きたいと考えています.従って,実会場であるパシフィコ横浜の使用に関しては,6月以降に使用の可否,並びに参加定員などの使用規模を,感染状況や施策,ワクチンの接種状況などを総合的に判断し決定していく予定です.
この感染症対策として行うWEB配信ですが,ネガティブな面ばかりではなく,当日,仕事や育児などで参加できない会員も自宅からの参加が可能となります.また,実会場での参加者も他会場の演題を帰宅後に視聴が可能です.また,会場のキャパシティーに左右されずWEB上に幅広いテーマの講演を企画できる,など多くのメリットが見込まれ,多くの県士会会員に,多様な形で,それぞれの目的を持って参加いただける学会になるのではないかと考えています.

作業療法と多様性について
 本学会のテーマは,「多様性に向き合う作業療法」です.世界は国連が掲げた「持続可能な開発課題(Sustainable Development Goals,SDGs)※1」を達成し, 誰一人取り残されることのない多様性と包摂性のある未来を目指しています.SDGsの17開発目標のうちの一つが作業療法が関係するヘルスケアです.
あるべき未来として,包摂性(インクルージョン)とともに掲げられた多様性とは,「いろいろな種類や傾向のものがあること.」「変化に富むこと.」を意味します.ヒトは文化,人種,国籍,年齢,性別,障がいなど生まれ育った環境・教育の違いから,一つのものごとでも,発達の過程でそれぞれの見る角度により異なる答えを導きだし,多様な価値観が形成されます.
この多様性に満ちた,リアルなヒトそのものを対象にしてきたのが作業療法です.対象者の身体と心,そして環境に至るまで包括的に受け入れ治療を行ってきました.そして,作業療法は臨床の中で積み重ねた経験の中に共通項を見いだし,ヒトが示す価値観と同様に多様な分野に分かれ専門性を高めてきました.神奈川県作業療法学会は,その別れた分野が高度な専門性を持ちより,今一度,ヒトの多様な価値観を再認識し,臨床へ繋げていく場になれば良いと考えています.
この様な趣旨に基づき,学ぶ場の再構築と,多様性に満ちた新しい学会を目指して実行委員会では準備を進めています.コロナ禍の大変な時期ではありますが,感染対策を施した実会場ならびにWEB会場に,多くの方のご参加を心よりお待ちしています.

第18回神奈川県作業療法学会 学会長
JCHO湯河原病院 松田哲也

※1【国際連合広報センター】

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