学会長 野々垣 睦美
(NPO法人脳外傷友の会ナナ クラブハウスすてっぷなな)
今回は,これまでの学会とは異なる運営にチャレンジすることにしました.そのいくつかをご紹介していきます.
1.学会場が学校(養成校)ではないこと
神奈川県では1986年度の第1回学会から,隔年での学会開催を実施しています.当時の会員数は125名.2010年には1,500名を超え,2018年9月現在,約2,200名という大きな組織となっています.たくさんの方が参加でき,かつ会場費が安価という側面から,この10年は学校を会場として開催してきましたが,運営にあたっては会場となる学校の先生方に役割が集中してしまう,という課題も生じていました.日常業務に加えての学会準備は多忙を極めます.このまま学会場を学校にお願いしていくことは困難と判断し,次回の学会は一般の会場を借用する方向としました.また,学会実行委員会のメンバーも様々な所属の方に依頼し,役割を分散させることを優先しました.効率的ではないかもしれませんが,日常業務に支障が出にくい方法を探っていきたいと考えています.
2.演題発表に「チャレンジ発表」という枠を設けます
神奈川県作業療法士会では,年間を通じてたくさんの研修会,講習会を開催していますが,会員が日常の成果を発表する機会はほとんどありません.学会では,できるだけたくさんの方が発表することができるよう,プログラムを検漏しています. これまで,発表は口述とポスターでしたが,今回は口述と「チャレンジ発表」という枠を設定しました(会場の都合によりポスター発表はありません).5年目以下の若手や学会発表が初めての方を対象にした発表枠になります.発表時間は一般の口述よりも短くなりますが,スーパーバイザーからのアドバイスが入ります.これまで「発表は難しそうだな」と敬遠していた方も是非,この機会に発表してみてください.日頃の疑問を解決するチャンスになるかもしれません.詳細については,県士会サイトに掲載しますのでご確認ください.
3.お子さんも一緒に学会場へ入れるようにします
作業療法士は女性が多い職種です.「子どもがいるから学会に参加しにくい」という状況を変えていきたいと考えています.これまでも子どもは学会場に入れない,という規定はなかったのですが,実際に子どもを連れての参加者を見かけることはありませんでした.今回の学会では,会場のなかに「こどもスペース」の設置を予定しています.詳細については現在検討中ですが,「学会場に子どもを連れて行っても大丈夫だからちょっと参加してみようかな」という方が増えてほしい,と願いながらのチャレンジです.
第17回神奈川県作業療法学会の開催に向け,実行委員会ではさまざまな企画,あらたな運営方法について検討を重ねています.今回の学会での挑戦が,会員のみなさまの興味と知的好奇心が満たせるものになるよう,当日まで準備を進めていきたいと思います.たくさんの方の参加をお待ちしております.