佐藤 隼
さがみリハビリテーション病院
「地域で作業療法士がどのようにして生活支援に関わることができるのか、それを考え合うことができる『学びのお祭り』を開催してもらいたい」と学会評議委員の方にご案内をいただきました。「地域」と言っても様々な考え方があったり、加えてコロナ禍の状況もあったりして私に実行委員長という役が務まるかどうか本当に不安ではありましたが、地域共生社会の実現が求められるこの時代にこそ作業療法士がアクションを起こす必要性と好奇心に共感して僭越ながら引き受けさせてもらいました。
私自身、相模原で地域支援事業に関わって7年になりますが、市町村単位での「地域」もあれば自治会単位での「地域」、隣近所単位での「地域」を見てきました。ただ、どの「地域」においても共通するのは「人」とのつながりです。人と人との関係性によって個々の生活リズムや生きがい、その人にとっての役割が生まれる、それを支援することに作業療法士が期待されていることを実感してきました。
『地域共生と作業療法』をテーマとする本大会では、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることの大切さについて学び合えるプログラムを企画させていただきました。各プログラムの講師には、地域社会における作業療法の役割を体現している作業療法士のみならず多職種の方からも作業療法士に向けたメッセージをいただく予定です。また、午前中のプログラムはすべて一般県民の方も参加できる公開講座としております。職種や立場の垣根を超えて一人ひとりが「地域」の主人公としてできることを考える、そのような大会になると信じております。一般社団法人神奈川県作業療法士会設立40周年を記念する2022年12月11日、県内だけでなく全国さまざまな場所にいる皆さんとオンラインでつながれることを心から楽しみにしております。