◇シンポジスト講演内容(50音順)
一般社団法人AOH 代表理事 伊藤 紀幸氏
ソーシャルビジネスの経営者の立場として、企業が求める人財とはどんなことか、子どもたちにどのようなことを身に着けていてほしいのかについて伝えていただきます。社会人に向けての準備としては、例えば働いて得るお金の意味やマナー等は、日常生活に取り入れる工夫があることを紹介いただきます。
ショコラボ工房を就労支援として利用している人たちは声かけや仕事の取り組みにおいて支援側の工夫があります。彼らが仕事を継続するためには本人の内発的動機付けが重要ですが、コーチング技術によっても変わっていきます。支援者側が決意や信念を以って彼らに接していくことで彼らには責任能力も生まれてくるというお話を、実例を基にお話しいただきます。
うめだ・あけぼの学園 作業療法士 酒井 康年氏
作業療法士が子どもたちと関わる時に大切にしている、彼らの行動の背景にある相互作用を把握することは、子ども理解のためのヒントになります。子どもの困った行動を単に「不適切な行動」と決めつけ一方的に修正を求めるのではなく、その子どもたちの行動を意味のあるものとしてつながりから理解すると、支援者側の対応の仕方も変わり、子どもたちもそれに応えようとします。今回は、個々の行動の理由を知って関わり、環境を変えれば、行動も変わることができることの工夫点や具体例について、明日から実践できるような例をお話しいただきます。
横浜市中部地域療育センター 所長 高木 一江氏
医師から見た、子どもたちの医学的な特徴についてお話しいただくとともに、乳幼児から成人になるまでに子どもたちがどのように成長していくのかについて、事例を通して紹介いただきます。医療用語は、たとえば脳の機能や薬、行動特徴を意味する表現など一般には馴染みにくい言葉も多いですが、わかりやすく解説していただき理解を深めます。さらに、思春期の子どもが抱える悩みや解決策について、支援者はどのように支えていくのか、についてもお話しいただきます。
早稲田大学 大学院教職研究科 教育学研究科高度教職実践専攻(教職大学院)教授 高橋 あつ子氏
教育機関で問題になっている不登校の原因や、昨今の子ども・若者像について現状をお話しいただき、過去から現在までの特別支援教育について取り組まれていることを、実例を通してご紹介いただきます。
さらに、学力向上のために実践するプログラムは、特別な配慮を要する子どもたちには適応が難しい現状があることにも触れつつ、学び方を多様化することで、個々の成長が期待できることについても具体例を挙げながらお話しいただきます。
神奈川LD等発達障害児・者 親の会「にじの会」 保護者代表
米国で早期療育支援を受けていた発達障害のお子さんを育てているご家族に1.療育を受けるまで 2.実際に受けた早期療育支援 3.支援で得た知識を子育てに 4.子育て経験より伝えたいこと、の4点を軸に経験談をお話ししていただきます。
内容の一例として、療育を受けるまでの経緯や子育てをしている中で気づいた子どもの違和感、実際に受けた療育(作業療法も含めた)内容、支援で知りえた知識をその後の子育てにどのように生かしたのかを具体例を挙げながらお話しいただきます。
また、支援者・現在子育てをしている保護者・地域の方それぞれに向けて当事者家族の視点から思いを伝えていただきます。