第一弾に引き続き、今回も子育てをしながら働いている方の特集です。
3か所の精神科病院を経て、現在はT病院に勤務しているパパさんOTのAさん。ご家庭の状況に合わせて勤務スタイルを変え、看護師の妻と楽しく賑やかに1男2女の子育てをしている育メンパパの仕事と家庭の両立の約10年に迫ります!
現在、職場では精神療養病棟の担当OTとして勤務。家庭では看護師の妻と共に、日々悪戦苦闘しながらも、楽しく賑やかに1男2女の子育てをしています。仕事と育児の両立が始まったのは、長男が誕生した約10年前。最初の職場で主任となり、初めて管理業務に携わっていました。日々の臨床に加え、学生指導や院内各種会議の出席から部署内職員の人事考課面談まで、自身の力不足を感じつつも周囲の同僚たちに支えられ、また妻が産前産後を経て育児休暇中だったこともあり、何とかこなしていました。
それから約1年後、OT開設の責任者として新たな職場へ移りました。転職を決めた理由の一つは、院内保育室を利用できたことです。妻の職場復帰を目前に、地域で長男の預け先を確保できずにいたため、我が家の保育問題は一気に解決へ向かうことになりました。
しかし、預け始めてみるとそれ以上の収穫がありました。地域の施設に比べて小規模ゆえ、保育士さんの目が常に行き届き、とても大きな安心感を得られたことです。子どもの熱発や私の残業があっても、度々柔軟に対応してもらえたことでとても助けられました。
また、院内を散歩しながら愛嬌 をふりまく子どもの姿は、私が新たな職場に溶け込む上で潤滑油の役割を担ってくれました。特に部署の同僚達からは温かく見守られ、可愛がってもらえたことは、普段から妹たちの面倒をよく見てくれる長男の現在につながっているように思います。
長女の誕生と転居に伴い、長男の院内保育室通いは2年半余りで終えましたが、その後も同僚たちの子どもたちが通い始めました。また、少人数保育の利用経験から、長女、次女は3歳までの保育を『家庭保育福祉員(通称・保育ママ)』にお願いしました。長男、長女の4歳以降は、従来から保育園に似た『預かり保育』を実施している幼稚園に入れて、毎日夕方6時近くまで面倒を見てもらっています。
これまで子育てを通じて得られた知恵や経験は、仕事の上でも大いに役立ってき ました。父親という立場を知ったことは、臨床家として患者理解の一助となっていると思います。子どもを持っても働きやすい職場作りへの取り組みには、同僚たちの理解が不可欠でしたが、私の在り様はそれに多少でも貢献していたと信じています。
現在、私には子どもの養育だけでなく、両親の介護問題も加わりました。将来を楽観してはいませんが、ここで得られる経験も必ず仕事に生かすことができるものと考えています。
今回はパパさんOTの仕事と育児の両立について特集しました。ご感想やご意見がありましたら、県士会福利部
次回もどうぞご期待ください!
文責:福利部 勝山基史