【在校生】第15回 ( ̄∀ ̄)マジメな話ですがキャラなので…!?

( ̄∀ ̄)マジメな話ですがキャラなので…!? 「これからもたくさん勉強して、僕達みたいな人を助けて下さい。」

 ある病院での実習最終日、患者さんの1人から頂いた言葉です。とても嬉しい言葉であると同時に、”作業療法士”という仕事がいかに患者さんの人生の一部に関わる職業であるのか、改めて気づかされた言葉でもありました。

 私にとって、学生生活の中での大きな壁はやはり臨床実習でした。自分がどれだけ多くの知識や技術、情報を持っているか、そしてそれらをいかに患者さんに適切に提供することができるかは、患者さんのその後に大きく影響します。
 患者さんの評価や治療にあたっては多くの困難を経験し、自身の知識や経験・判断力の未熟さを痛感しました。
 また、『自分が患者さんに何をしたいのか』明確な考えを持って治療に臨むこと、そして作業療法士として自分の考えに誤りがないか、常に振り返りながら自身の言葉でしっかり説明できなければならないということも教えられました。

 そしてもう1つ。これから一社会人になる人間としての未熟さも痛感しました。実習先では、当たり前のことですが、自分とそれほど歳の違わない若い先生方も働いていらっしゃいます。
 少しの年齢差なのに、”学生”である自分と、かたや”社会人”である先生方に大きなギャップを感じました。言動を比較しては、『数年経ったとき、果たして自分もあんな風になれているんだろうか』、と不安や焦りを感じました。

 しかし、実習を通して得るものは大きいです。実習の場は一社会であり、自身の言動が”作業療法士の卵(学生)”としてだけでなく、”社会人になる一人間”としても評価される場でもあると感じます。
 その評価は作業療法士になる為に今の自分に足りないこと、逆に今の自分で伸ばせる点はどんなことなのか、私には自分自身を改めて見つめ直すきっかけにもなりました。社会人になる前に、将来自分が働く社会を学生のうちから経験するという視点からみても、実習はとても貴重な期間であると感じます。

 また、私は尊敬できたり、『こんな作業療法士になりたい!』と思えるような先生方と出会えることができました。
 そして実際の患者さんからは、本当に多くのことを勉強させて頂きました。対人職である作業療法士の魅力は、一人ひとりの患者さんとの出会いを通して自分の世界や価値観が広がる点にもあると感じました。これも大きな収穫です。

 高校を卒業して4年制の養成校に入学し、早くも目前には国家試験や卒業が迫っていますが、入学したての頃が本当に昨日のことのように思い出されます。
 それほど私にとってこの4年間はあっという間でしたが、とても楽しく充実した学生生活でした。同じ目標を持った仲間と一緒に、楽しいことや困難なことを共有しながら学生生活を送れたこと、そして実習を通して、作業療法士を目指して良かったと改めて感じています。

(2006年2月現在,神奈川県内の養成施設に在籍,4年生)

同じカテゴリーの記事:在校生からメッセージ

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wpm/essay/post/54