【在校生】第14回 誇りを持てる職業です

誇りを持てる職業です 自分は中学・高校と野球をしていました。中学の部活中に怪我をしてしまい、中・高と部活とリハビリテーションに通う日々を送りました。自分の受けていたリハビリテーションはどこか機械的で、流れ的なものがあり疑問に思ったこともありました。
 そんな中で理学療法士・作業療法士を知り、特に体験することのなかった作業療法士の方に関心を持ちました。

 人と接することが大好きで、人に笑顔を与えられる仕事をしたいなという理想を持っていた自分は、今までの経験が生かせて、自分の理想に近い仕事は作業療法士だと思いこの道を選びました。

 学校に入学して二年を振り返ってみるとあっという間だった気がしています。一年生では、基礎科目・教養科目を中心に勉強をし、日々ついて行くのに精一杯だったのを思い出します。
 二年生になったらペースを掴むどころかもっと大変になり、基礎科目に専門科目、実技の授業とまた一段と内容のある授業をしてきました。たくさんの課題に追われる中で行った二年の夏の見学実習は今までの学生生活の中で一番印象に残っています。

 見学実習なので特に何かをしたわけではないのですが、見たこと・体験したこと、患者様に話しかけられたこと、担当の先生に言われたこと全てが自分を大きくさせるキッカケになっていると感じています。
 なによりも人と接することの責任感を強く感じました。いくら自分が学生だと思っていても、先生と同じような服装をしていたら、患者様からは作業療法士の卵のように思われるのです。一つの発言、一つの行動に自然と緊張感を持ちました。そしてそれと同時に自分の知識不足や練習不足なところに不安を持ち、悔しい気持ちになりました。

 最初は車椅子一つ押すにも学校でみんなとやっていたような余裕を持てず習ったこと・注意するとこを必死に思い出し、とても集中しながら押していたことや患者様と一緒にビーズ細工したこと、体操やレクリエーションをしたことなどを覚えています。
 そんな一生懸命の中ふと患者様から言われた『ありがとう』の一言が心に響きました。知識不足で練習不足で何も出来なかったはずなのに…。

 実際の患者様とビーズ細工や体操・レクリエーションなどの作業活動をして触れあいその関わりの喜びを知りました。人に笑顔を与えたいと言っていたのですが、逆にたくさんの笑顔を患者様たちに自分はもらいました。

 作業療法の事についてわからないことがいっぱいあります。でも実習を体験した今この道に進んだことにとても誇りをもてます。人にたくさんのものを与えられる可能性を秘め、人から多くのものを与えられるそんな職業だと思いました。
 作業療法士になるという目標に今はほんの少しの不安と大きな希望をもって前へ進んでいき、大きく羽ばたけるよう一日一日を大切に過ごしていきたいと思います。

(2006年2月現在,神奈川県内の養成施設に在籍,2年生)

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