«

»

Print this 投稿

【中堅】慢性期(維持期)へようこそ 柴田和也OTR

柴田和也OTR(秦野介護老人保健施設みかん)

慢性期(維持期)へようこそ 私が作業療法士となって数年が経過した頃(今から17~18年前)、教職に就かれた先輩の「学生頼む」の一言で、初めてスーパバイザー会議というものに出席しました。初めてのスーパバイザー会議で緊張していた私をよそに会議自体は滞りなく進み、内容に関する記憶は彼方に行ってしまいましたが、会議後のOT諸先生方の会話が私にとってこの日を忘れられないものとしました。
 休憩時間となり各々お知り合い同士会話を楽しんでいる諸先生の中から「・・別に慢性期が必要じゃないって言わないけど、急性期に比べたら・・」「そうねえ・・やっても・・」という言葉が私の耳に飛び込んで来たのです。
 当時、急性期治療を終えた方が転院してこられる、いわゆる慢性期(維持期)病院のリハビリテーション課に所属していた私はこの言葉に少なからず衝撃を受けました。私が衝撃を受けたのは主に2つの理由からで1つは“自分たちの行っている(慢性期に対する)リハビリを否定された”“同じOTがこんなことを言っている”“他はどうあれOTだから理解されていると思ってたのに”等々思いが込み上げて来たのを今でも覚えています(あくまで当時の話です念のため)。と同時にもう1つは、かく言う私自身も日頃の取り組みの中で“慢性期なんだし何かしらの効果が出なくてもまあ・・”とか、この発言をされた方と同様の思いがあった事にも気づき「うーん・・」と頭を抱えてしまいました。

 さて、それからずいぶん時間が経ってしまいましたが何が魅力だったのか、未だ慢性期(維持期)と言われる方が多く利用される老人保健施設に勤務しております。
 あまり必要ではないと思われているところに20年以上も関わっている、そんな私の独り言ですが慢性期とはいつからいつまでなんでしょう?ちょっとパソコンを開いてみると、1.慢性期(維持期):病気の急性期(症状の激しい時期)を過ぎて、症状が安定している時期 2.維持期リハビリテーション:障害のある高齢者等に対する医学的リハビリテーションサービスの一部を構成し、急性発症する傷病においては急性期・回復期のリハビリテーションに引き続き実施されるリハビリテーション医療サービス。3.回復期リハビリテーション:脳血管疾患、脊髄損傷・・入院までの日数2か月以内、算定期間150日。高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害・・算定期間180日まで等々とありました。

 私はこれらをあまり深く掘り下げず、時間でバッサリ区切ってみることにしました。例えば70歳で脳梗塞を発症し片麻痺となった方が85歳でご逝去するとしたらどうでしょう。発症から180日を回復期、それ以降を慢性期(維持期)とするなら・・慢性期はおよそ5300日、約29.4倍と考えてみたら凄い時間です。

 発症から回復期までの凡そ6か月、この期間に適切なリハビリテーションを受けられたか否かは、患者さんの後々のADLに多大なる影響を与えることは周知の事実であります。
 しかしこの期間でリハビリテーションが完結というわけではないという事も、ご存じの通りと思います(多分)。私から見ればこんな長い期間アプローチを懸けられるのにリハビリしないなんて勿体ない。先の例を使ってもっと言うなら、発症後急性期回復期が過ぎた残り14年6か月の人生に作業療法士が関わることがなくても(そのような機会が無くて)構わないのだろうか?えーい百歩下がって、これが20年以上も前で全国に作業療法士が3000人や5000人という状況ならば急性期へのアプローチのみでも致し方ないとしましょう。でも現在は作業療法士が○○万人という時代、こんな時代に作業療法士が病院や老人保健施設で、(回復期を過ぎた方に)アプローチを行わないというのは如何なものかと思ってしまうのは私だけでしょうか?

 少々勢い余ってしまいましたが、若いOTの方にお伝えしたいのは回復期以降にアプローチを懸けてみませんか?という事。「“老人保健施設”侮るなかれ面白い(interesting)ですよ」という事。

 どんなふうに面白いかは、やってみないとわからないんですが皆様の中には「毎日同じことやって変化見られないし・・」という考えもあるでしょう。これはどう伝えればと考えたのですが、子供の頃から野球をやっている友人がおりまして、その姿を通してお話したいと思います。
 その友人はそれこそ三十年以上も野球をやっているのですが、まず基本練習はキャッチボールであり、素振りであり、守備練習、小学校の頃~40歳過ぎの今まで変わっていないみたいです。でも、その経過の中でバッティングだけを見てもバットスイングが高校生くらいには速くなり最近は遅くなり、バットの重さも重くしたり軽くしたりと変化が見られているようです。練習や試合の時間も学生の頃には放課後や土日が中心でしたが、社会人となり日曜の早朝となり、最近では「早起きして野球すると体に悪いから」と日中になったり、30年以上も野球やって飽きずにまだまだ楽しんでます。ご理解いただけます??

 こんな粗末な文章では解り難いと思った方、たくさんいると思います。そんな考えの方は是非慢性期(維持期)体験(就職)してみて下さい。

Permanent link to this article: http://kana-ot.jp/wpm/essay/post/141