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【若手】No.20 『作業』という言葉に関心を持って・・・

『作業』という言葉に関心を持って・・・ 自分が「作業療法士」という資格を目指すきっかけは、ある脳性麻痺を患った女の子との出会いでした。
 自分自身、”何か人の助けになる仕事に就きたい”と高校時代に考え、進路指導室では医療・福祉の仕事を中心に探していました。この女の子が地域の施設でリハビリテーションを受けていると話を聞いて、そこで初めて理学療法士と作業療法士の方と出会いました。
 今までリハビリテーションという言葉は知っていましたが、実際の訓練場面を見るのは初めてで驚く事が多くありました。そこで作業療法士の先生は、その女の子と一緒にスイッチを押す練習をして、女の子がスイッチを押せると「上手に押せたね」と声をかけていました。先生が声をかけると、女の子はすごくいい笑顔になり、そのスイッチを何度も押そうとしていました。自分自身このとき、何がリハビリテーションなのか分からなかったのですが、何か心の中で感動を覚えました。
 その後、作業療法士の先生に「作業とはなんですか?」と質問して、教えていただいた事が「『作業』という言葉に答えは無いんです」という答えでした。このとき、「答えの無い『作業』を学んでみたい」と考えて、この仕事を選びました。

 実際に学校に入ってみると、自分が想像していた以上に覚える事が多く、勉強がそこまで好きではなかったので毎日大変だったことを覚えています。
 1・2年生は医学的な知識をとにかく覚える事が中心で、クラスのみんなと協力して覚えていきました。ただ、このときは覚える事が中心で、この知識がなぜ必要なのか?と疑問を感じていました。
 3・4年生になると、その疑問が解決したと同時に、もっと勉強しておかなければならなかったと感じました。この学年になると作業療法の実践的な知識を学ぶ事が多くなるのですが、その基礎に医学的な知識が必要であるということが前提でした。自分の学校では、特に精神科の授業が難しく、クラスのみんなで必死に勉強して試験を乗り越えたのを覚えています。

 そして、学生生活で最も大変だったことが実習でした。実習で何が大変かというと、とにかくやらなければならない事が多いことでした。
 実習でやる事は、日々の記録と担当患者様の記録などと、先生によっては課題などもありました。学生生活では、解剖学、生理学、運動学などの医学的知識と、評価学、治療学などの作業療法の専門的な知識をそれぞればらばらに学んでいきますが、実習の記録ではそのすべての知識を必要とします。また、記録などの提出物も大変ですが、実習では記録だけではない(食事などの日常生活など)のでさらに大変でした。
 しかし、先生から「実習は大変だが、点(今まで学んできた知識)を線(実践的な考え方)にする『作業』だからとにかく頑張れ」と励ましていただいただき、頑張れた事を覚えています。

 現在、県内の老人保健施設で維持期の作業療法を考えながら、毎日楽しんで仕事をしています。
 人生の先輩方から多くのことを学ばせていただき、「この方が考える『作業』とは何か?」と日々考えながらリハビリテーションをしています。

 最後に、自分の考える作業療法に近い曲があるので紹介します。それはMr.Childrenの”彩り”という曲です。”僕のした単純作業が この世界を回り回って まだ出会ったこともない人の笑い声を作ってゆく そんな些細な生き甲斐が 日常に彩りを加える…”。
 この曲を聴くと「よし今日も一つ何かしよう」と前向きに考えられます。小さな『作業』でも、利用者様にとっては大きな『作業』であることは、一人ひとり考え方が違うので起こりうる現象だと思います。例えばそれが朝の挨拶であったり、会話であったり、手伝いをする事であったり、それぞれ人によって価値が高い『作業』があります。
 利用者様の必要と考えるさまざまな『作業』を見つけていく仕事が、作業療法士であると考えています。

 その人にとって大切な『作業』を見つける仕事をしませんか?

(2008年3月,東京都内の養成施設を卒業)

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