目標設定と能力の把握

認知症のある方は
失われた能力をどんなにトレーニングしても再習得することはできない。
でも、埋もれていて表面化していない能力を見いだしてもらえれば
合理的に発揮できるように再習得することは可能です。

だから
リハやケアの分野において
生活障害やBPSDの改善に関して
能力を見いだすということがとても重要なポイントになってきます。

「認知症があってもできることはある」
と旗を振る人が増えてきたのは良いことだと思います。
でも、旗を振ってるだけでは個々の現実を善くしていくことはできない。

「意思」していれば現実が変わるわけではない
「意思」を行動のカタチで表現することが大切
ということは前の記事で記載した通りです。

「できることはある」ならば
今、どんな場面でどんな風にどのくらいのどういう能力が
現れているのか、明確に把握できるようになること
それこそが求められていることなのだと考えています。

そして
能力を見いだす
とは、一見綺麗で簡単な言葉ですが
おいそれとできることではありません。

「観測できれば干渉することができる
干渉することができれば制御することもできる
観測できないものには手の出しようがない」
とは、魔法少女☆まどかマギカでキュウべえのセリフですが
まさに。まさに。

見れども観えず。の状態から
観える。ようになるために
実は目標設定のトレーニングという
一見全然関係のないように思える事柄が非常に深く関与しているのです。 

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