入院すると認知症がひどくなる?

入院すると認知症がひどくなる?結果として起こっていることなのですが…(^^;

「入院すると認知症がひどくなる」

これもよく聞く言葉です。 入院生活は刺激がなくて単調だから…と環境の問題にされがちです。 けれど、果たして本当にそうでしょうか?

入院生活というのは、日課がきちんと決められています。 医師や看護師の言語指示を聞き取り、理解し、記憶し、従うことが求められます。 また、病棟全体の中で病室やトイレの位置関係を相対的に把握し、行動できることも求められます。

このようなことは、アルツハイマー型認知症のある方にとっては、とても難しいことなのです。

もともと、認知症の中核症状はあったけれど、 なじみのある自宅という場でマイペースに暮らしていたから 症状が目立たなかった。 それが、入院というきっかけで、新たな場で新たな事柄に対応することが求められるという場面において表面化した。

入院生活という環境がよくないから入院すると認知症がひどくなる …というのではなくて 入院生活に適応できないくらいに 既に認知症が進行していたということが表面化した …のではないでしょうか。

環境適応能力が限られてしまう…ということは 認知症のある方が、身体疾患を発症した時に生じる課題の1つでもあります。

その課題にきちんと対応できるようになるためにも 結果として起こっていることと原因との混同なく 状態像の把握ができるようにならないと、対策も後手後手になってしまうように感じています。

 

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/234