Tag: 犬用クッキー

夏休み

 すてっぷななの夏休みは7月末~8月初旬.利用者との話合いで「お盆はどこに行っても込んでいるから,違う時期が良い」「こどもの夏休みと合わせてほしい」などの意見があり,この時期になりました.

 夏休み明け最初の活動日.案の定…日課や作業,役割分担など,今まで積み上げてきたものが,たったの10日でリセットされていました.休み前の状態に戻すのに何日ぐらいかかるのかな?

 手続き記憶は残りやすいので,作業はもう少し大丈夫だと思っていたけど,大誤算でした.クッキー作りでは,手順書を出さずに作業を開始し,道具も材料も間違える…進捗状況の報告・相談を忘れるなど,通常できていたことがうまく繋がらない様子.でも,宅急便の集荷依頼の電話はとても上手にできていました.このあたりの「ムラ」が高次脳機能障害の特徴のひとつなんですよね.

 今回は,休み明けに「はじめまして」と自己紹介されなかっただけ良し,としましょう.

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施設紹介

イメージ_看板 クラブハウスすてっぷななは,2004年4月に首都圏初の高次脳機能障害者に特化した地域作業所として開設し,2010年4月からはNPO法人として地域活動支援センターと自立生活アシスタント事業の2事業を始めました.

 地域活動支援センターの定員は15名.犬用クッキーを作ったり,宅急便の取次をしています.
 福祉的就労としての活動が目的ではなく,社会性や対人面,生活の中で代償手段を使えるようになる,など病院から地域社会へ戻る際に必要と思われる様々なことにアプローチをしています.病院の中では「やってもらう」ことに慣れてしまっている人たちも,ここでは「自分から周囲に働きかける」ことをしなければいけません.
 レクリエーションの行き先なども本人たち同士で話し合って決めるのですが,お互いが自己主張もしつつ,他人の発言を尊重することも大切なポイントです.昨年は人の意見を聞かずに(もしかしたら聞けずに??)話合いを進め,結局は雪の降っている栃木の牧場へ行くことになってしまいました.話合いの時点で「冬の栃木は寒くて凍るよ」と発言していた利用者がいたのにな….
 路面も凍結し,結局はアルパカも見れず,インパクトのある旅行でしたが,記憶障害の方々はそんなこともすっかり忘れていました.今年はどこに行くことになるのでしょうか?

 自立生活アシスタント事業は,横浜市単独事業なので初めて聞く方も多いと思います.私も転職してから知りました.今までは知的・精神障害には実施していたのですが,2010年度より発達障害・高次脳機能障害にも事業が拡大しました.嬉しい!
 単身者や障害者世帯などが,地域で自立した生活が送れるよう,アドバイスやちょっとした支援を行っています.実際の生活場面で,障害像の評価と環境調整,本人に使いやすいツールの工夫などの支援をしています.この事業については,まだ本格化していないので,どこかの機会に報告できればな,と思います.

 高次脳機能障害はある日突然,何の断りもなくやってきます.症状も見えにくく,何がなんだかわからない.でも,当事者は近い将来,地域に戻って生活しなければなりません.そんなときに,OTがその先の生活をイメージすることができたら…みんながハッピーになれる支援が実現するかもしれませんね.

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